研究概要 |
本研究は,支援操舵から手動操舵への切り替え時における運転者の従事度合が操舵制御に及ぼす影響について,ドライビングシミュレータを用いて車線変更を対象に検討を行っているものである. 平成15年度の1年目は,実験装置を研究の内容に合わせて以下の4点の改善を行い,さらに予定が順調に進み,実験を行うことができた.(1)自動操舵の制御プログラムの開発:本研究室で開発したドライビングシミュレータを本実験に適合するように自動操舵システムを開発した.自動操舵は,車線中央からの偏差とヨー角から,操舵トルクを制御することにより車線内を自動走行するものである.(2)自動操舵力の適性の検討:自動操舵に関しては機械が操舵を行い,人間がハンドルを保持することもあるため,その感覚が人間に違和感ない操舵反力,すなわち人間と機械のインタフェースの最適な環境設定を行った.(3)高細度道路画像提示装置への設備改善:ドライビングシミュレータの視覚提示に用いる道路画像用プロジェクタの性能が低解像度のため,高速走行時における走行視線からの情報が捕らえにくい,また道路画像用計算機の性能も低く,描画速度が遅いため,運転に違和感が残る.これらを改善するために,高精度道路画像用プロジェクタと高性能道路画像用計算機に変更を行った.(4)長時間の走行可能な道路画像の製作:制御に対する従事度合の違いで意識水準が低下するまでの実験環境には,長時間の走行が要求されるため,長時間走行可能な道路画像の製作を行った. 本研究の操舵支援システムに関連する論文が受理された.
|