研究概要 |
人々が安心かつ安全に暮らして行く上で,消防用の機器や技術の開発や改良は常に行われなければならないことの一つである.本研究では災害現場で手軽に利用可能なレスキューシステムを開発することを目標とし,完全防爆で無振動などの優位性を有するウォータージェット技術を活用したシステムに関する研究を行った.3年計画の初年度である平成15年度は現有の高圧発生装置を活用し,比較的高圧の条件で通常の水ジェットを災害現場で使用することを想定したノズル性能等に関する実験,および実際に手持ちで使用される場合を考えたノズルからの安全な距離や必要な個人保護具に関する実験を行った.併せて,本研究で開発するレスキューシステムに関し,必要機材の入手方法や開発に際し必要とされる種々の関連知識等の調査研究を行った.第2年度である平成16年度は,前年度の研究結果を踏まえて,アブレシブジェットの可燃性気体中での利用可能性に関する理論的考察を中心に研究を行った.最終年度である平成17年度は,それまでの研究結果を8月に米国テキサス州ヒューストン市で開催されたWater Jet Technology AssociationのConferenceにて,他の研究結果と合わせ"On the residual energy for cutting plastic materials with abrasive water injection jet"の題名の論文などで発表した.その上,前年度までの各種検討により比較的有効なことが判明したポンプユニットが車両等に搭載されポンプユニットから離したノズル部のみを手持ち可搬とする二つのユニットからなるアブレシブジェットシステムを組み立て,今回開発したシステムがレスキューシステムとして必要とされるレベルの穿孔能力を有していることなどを実験的に確認した.
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