• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

小繰り返し地震の解析に基づく三陸沖における大地震と津波地震の発生過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15510145
研究機関東北大学

研究代表者

松澤 暢  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20190449)

研究分担者 岡田 知己  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30281968)
キーワード繰り返し地震 / 相似地震 / 準静的すべり / 余効すべり / 固有地震
研究概要

「小繰り返し地震(相似地震)は,プレート境界の準静的すべり域に囲まれた小さなアスペリティ(地震性領域)の繰り返し破壊によって生じており,小繰り返し地震の積算すべりを求めれば,そのまわりの準静的すべりをモニターできる」,というのが,これまでの小繰り返し地震による準静的すべりの推定の前提であった.本年度は,このような前提が正しいかどうかの検証を行った.
まず,大地震の余効すべり域中の小さなアスペリティの繰り返し破壊を,速度-状態依存摩擦構成則を用いた数値シミュレーションにより再現する事を試みた.得られた結果では,小アスペリティの積算すべりは,まさしく,そこに小アスペリティが無かった場合の積算すべりに一致した.一方,非常に大きな余効すべりのときは,小アスペリティで発生する地震の発生間隔が短くなりすぎ,断層の強度が十分回復しないうちに強制的に滑らされることになるため,普段より低周波のイベントやスローイベントが生じやすいことが明らかになった.このことは,大アスペリティの破壊直後にはその近傍の小繰り返し地震から推定される積算すべりは,その周りの準静的すべりよりも小さくなる危険性を示している.
また,一つの小繰り返し地震グループと同定されていても,実際には複数の小アスペリティの複合破壊であり,毎回,完全には同じ組み合わせで滑らない場合もありうると以前から危惧されていた.2005年8月16日に宮城県沖で発生したM7.2の地震は,1978年の地震時に破壊されたアスペリティ群の一部のみを破壊したことが明らかになり,このような現象が小規模で生じている可能性が高くなった.そこで,波形の相似性を利用した高精度の相対震源決定を行い,プレート境界で毎回どのような破壊が生じているのかを検証する解析に着手した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 速度強化域における摩擦特性と小アスペリティの破壊との関係2006

    • 著者名/発表者名
      有吉慶介
    • 雑誌名

      日本地球惑星科学連合2006年大会講演予稿集 (印刷中)

  • [雑誌論文] 沈み込みプレート境界における余効すべり伝播速度空間分布2005

    • 著者名/発表者名
      有吉慶介
    • 雑誌名

      地球惑星科学関連学会2005年合同大会講演予稿集

      ページ: S044-001

  • [雑誌論文] 沈み込みプレート境界における余効すべり伝播速度空間分布(その2)2005

    • 著者名/発表者名
      有吉慶介
    • 雑誌名

      日本地震学会2005年秋季大会講演予稿集

      ページ: 132

  • [雑誌論文] Recurrence intervals of characteristic M4.8±0.1 earthquakes off Kamaishi, NE Japan-Comparison with creep rate estimated from small repeating earthquake data2005

    • 著者名/発表者名
      Uchida, N.
    • 雑誌名

      Earth Planet.Sci.Lett. 233

      ページ: 155-165

  • [雑誌論文] 相似地震活動から推定された過去約10年間の十勝沖〜釧路沖の準静的すべり2005

    • 著者名/発表者名
      内田直希
    • 雑誌名

      地球惑星科学関連学会2005年合同大会講演予稿集

      ページ: S044-003

  • [雑誌論文] 小繰り返し地震による千島・日本海溝沿いプレート境界の準静的すべりモニタリング2005

    • 著者名/発表者名
      内田直希
    • 雑誌名

      日本地震学会2005年秋季大会講演予稿集

      ページ: A051

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi