研究概要 |
本年度,実施した研究成果を以下に列挙する. 弾塑性挙動は、単純な丸鋼棒でもネジ部と軸部とでは異なり、また、地震時載荷履歴によっても異なる。そこで、代表的鉄骨造体育館の地震応答解析から得られた層間変位時刻歴で載荷する、プログラム載荷試験を行い、筋違材のネジ部と軸部における塑性変形の局所化や、エネルギー吸収性能の劣化がどの程度になるかを調査した。[玉井] また、本筋違付架構模型を作成し、振動台実験により動的載荷下における楔の挙動を棟証した。[玉井・高松] この筋違を設置した標準的鉄骨造体育館について、作成した数値復元力モデルを取り入れた,地震応答解析プログラムを用いて,本改良型復元力特性を有する軸組筋違による耐震補強によって、建物の地震応答変位・加速度を低減でき、天井材や照明等の非構造部材の落下を防止しうることや、楔に要求される変位量、大きさおよび筋違に要求される塑性変形性能等の条件を究明した。[龍神] 2000年鳥取県西部地震、2001年芸予地震における鉄骨造体育館の被災事例を整理し、中国地区における諸学校体育館の構造的特性、耐震性能を現行の耐震診断法を用いて整理・分類した。また、本改良復元力を有する軸組筋違を用いた耐震補強工法を,取り付け詳細を施工性の面から詳細に検討した。[高松・龍神]
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