研究課題/領域番号 |
15510154
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
武藤 厚 名城大学, 理工学部, 教授 (90278325)
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研究分担者 |
村田 賢 名城大学, 理工学部, 教授 (30121510)
松井 徹哉 名城大学, 理工学部, 教授 (70023083)
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キーワード | 鉄筋コンクリート構造 / 苛酷事象 / 耐震性能 / 耐熱性能 / 耐衝撃 / 弾塑性挙動 / 地下利用 |
研究概要 |
地下式をはじめとする、鉄筋コンクリート連続体における耐苛酷事象下(事故/故意による、衝撃および各種の高温事象耐震・耐衝撃・耐熱)での性能評価のための、破壊解析手法を開発・検証・実行することを目的としている。 前年度までは、コンクリート構造部分に関して、過渡荷重及び温度荷重に対する弾塑性解析手法の基礎的部分を開発した。具体的には、申請者の既往研究により、シェル要素をベースとした手法を基にして、ここでは新たに3次元要素で基礎式を展開し、数値解析コードを試作した。また、実験データに基づく材料の構成関係の組み込みを実施した。また、温度依存の構成関係モデルに関しては、2次元で展開済のものに対して、3次元問題へ拡張するための基礎式の定式化を実施した。並行して、実規模での数値解析を実現可能とする為の高速な解析手法を検討した。なお、従来の解析手法では困難であった、局所破壊後の解析を安定に実施する為の有限差分による解析手法を理論展開した。そこでは、大変形/大ひずみ/大回転を考慮し、急速な要素の変形が進行して軟化した場合に、局所的な力の釣り合い条件を保持したまま、計算の続行に困難をきたす要素を自動的に消去、あるいは再メッシュする手法を展開し、大規模3次元解析への適合性を検討した。 本年度は、前年度までの内容の検証を継続して実施すると共に、a)前年度までに開発した各解析手法に対して2次元問題および3次元問題に対して、"温度依存(クリープに関しては湿分依存含む)"、"ひずみ速度依存"の材料構成則を構築した解析手法の構築とパラメータの設定を行った。b)具体的な数値解析手法の開発を実施した。これらにより、基本的に目的の解析を可能とするものと考えられる。引き続き、前年までの計算高速化の成果を受けて、実規模の解析が可能とする為に、高速な並列処理用の解析システムを再構築した。 次に、妥当性の検証のために、a)埋設された部分球形容器を模擬したモデルにより、基本的な耐荷性状、振動性状、実地震波に対する応答性状について確認し、耐熱性能、耐衝撃性能の数値シミュレーションを実施した。 現在ほぼ目標を達成しているが、継続して苛酷な事象下における各種地下式構造物の性能評価を実施中である。対象は、a)大規模地下式容器構造、b)それぞれ、"閉鎖"、及び"部分的に閉鎖"、"解放度の高い"矩形の地下空間における耐震・耐衝撃・耐熱性能評価を実施し、基本的な性状を把握する。なお、構築した解析手法の検証において問題がある場合には、その原因の分析とモデルの修正を実施し、再度検証を実施の後、上述のシミュレーションを実施するものである。
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