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2003 年度 実績報告書

レンチウイルスベクターを利用した遺伝子の機能解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15510167
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

三好 浩之  独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, サブチームリーダー (70219830)

キーワードレンチウイルス / ベクター / 遺伝子導入 / 遺伝子機能解析
研究概要

ポストゲノム時代を迎え、迅速な遺伝子機能解明のための技術開発が求められている。本研究では、非分裂細胞に効率よく遺伝子導入できるレンチウイルスベクターの特徴を利用し、より広範囲で迅速な遺伝子機能解析手段の開発を目的として、以下のようなベクターの改良および応用法の開発を行い、実際に遺伝子の機能解析も行った。
1.Tet発現調節プロモーターを用いて、遺伝子発現のOn, Offの調節が可能なレンチウイルスベクターを作製した。
2.初代培養細胞や幹細胞などから不死化細胞株を容易に樹立するため、SV40 T antigenまたはTERT遺伝子を組み込んだレンチウイルスベクターを作製した。
3.レンチウイルスベクターによる遺伝子発現抑制の系を確立するため、siRNA(small interfering RNA)を発現することのできるレンチウイルスベクターを作製した。このベクターを用いて、GFP遺伝子をターゲットとした遺伝子発現の抑制効果を検討した結果、遺伝子発現抑制の系がうまく働くことがわかった。
4.安全性を高めた第3世代レンチウイルスベクターが、種々のヒト白血病細胞株、造血幹細胞、白血病患者あるいはメラノーマ患者の細胞に効率よく遺伝子を導入できることを示した。
5.静止期CD4^+T細胞、静止期CP8^+T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージなど、これまでレトロウイルスベクターで遺伝子導入が困難であった細胞に、レンチウイルスベクターを用いることにより、効率よく遺伝子を導入し発現させることができることを示した。さらに、レンチウイルスベクターを用いてCD4^+ナイーブT細胞におけるCD226(DNAM-1)遺伝子の機能解析を行った。また、Bcl-3遺伝子をマクロファージに導入し強制発現させることたより、LPSによるTNF- α産生の誘導が阻害されることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Bai, Y.: "Effective transduction and stable transgene expression in human blood cells by a third-generation lentiviral vector."Gene Therapy. 10. 1446-1457 (2003)

  • [文献書誌] Kuwata, H.: "IL-10-inducible Bcl-3 negatively regulates LPS-induced TNF-α production in macrophages."Blood. 102. 4123-4129 (2003)

  • [文献書誌] Shibuya, K.: "CD226(DNAM-1) is involved in lymphocyte function-associated antigen 1 costimulatory signal for naive T cell differentiation and proliferation."J.Exp.Med.. 198. 1829-1839 (2003)

  • [文献書誌] 渋谷和子: "レンチウイルスベクターを用いた静止期免疫細胞への安定的遺伝子導入法とその応用"細胞工学. 22・11. 1232-1239 (2003)

  • [文献書誌] Miyoshi, H.(Edited by Heiser, W.C.): "Gene Delivery to Mammalian Cells Volume 2 : Viral Gene Transfer Techniques"Humana Press. 565 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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