研究課題/領域番号 |
15510181
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西山 繁 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20137988)
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研究分担者 |
中村 和彦 産業技術研究所, 分子細胞工学研究部門, 主任研究員 (50286647)
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キーワード | 有機電気化学 / ヘリアヌオール / ユーリパミド / ベルベナカルコン / アエロプリシニン / 全合成 |
研究概要 |
ヒマワリの他感物質ヘリアヌオール類およびその関連物質の合成と双子葉・単子葉植物に対する成長阻害活性 電極反応によって生成するスピロジエノン化合物のルイス酸触媒による環拡大反応を鍵反応としてクロマン型(±)-ヘリアヌオールEの合成を達成した。さらに、この知見を活用して、光学活性体構築を行いヘリアヌオールEを合成したが、報告されているものと旋光度の符号が逆であることが判明した。従来の絶対構造の決定に誤りがあることが予想されたので、その鏡像体を合成し提唱されていた天然物の構造を訂正した。さらに関連した7、8員環構造を有するヘリアヌオールCおよびKの全合成に成功した。この過程で得られた諸誘導体について、単子葉・双子葉植物の茎・根に対する成長阻害活性を調べた。その結果、天然物を凌ぐ活性を示す化合物を得ることが出来た。 海洋生物由来のユーリパミドA、B、Dの合成と構造訂正 トリペプチド型環状イソジチロシンであるユーリパミド類の生物活性を調べるために全合成を行った。この結果、ユーリパミドB、Dでは混合物のデータに限られていたのに対し、初めて単一品に基づくスペクトルおよび生物活性データを供給できることになった。ユーリパミドAについては、これまでに報告されていた構造の誤りを訂正し真の天然品の構造を明らかにした。 神経芽成長因子活性化剤ベルベナカルコンの合成 植物由来のベルベナカルコンは、アルツハイマー治療薬との関連から注目されている。本研究では、メトキシ基を有するジアリールエーテルを混合ハロゲン化フェノールの陽極酸化反応を駆使して全合成を達成した。 海洋生物由来のアエロプリシニン-1の新規合成 海洋生物に由来する天然物に多く見出されるスピロイソキサゾール骨格の合成を陽極酸化と水素化ホウ素亜鉛の還元による改良合成法を確立した。さらに、スピロイソキサゾール環の選択的な開環反応を行い、新しいシアノヒドリン構築法によるアエロプリシニン-1の合成を達成した。
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