研究課題/領域番号 |
15510193
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石井 実 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80176148)
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研究分担者 |
中山 祐一郎 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (50322368)
平井 則央 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70305655)
広渡 俊哉 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (20208896)
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キーワード | 里山 / 里山林 / 稲作水系 / インベントリー / 昆虫類 / レッド種 / 生態学 / 生活史 |
研究概要 |
本研究では、里山林、里山草地、稲作水系において特に衰退の著しい昆虫類のうち典型的なものを選定し、それらの個体群が里山の半自然環境における自然-人間系の中で維持されてきた生態学的メカニズムを解明することにより、今後の里山環境の保全方法を探ることを目的としている。ギフチョウについては、大和葛城山の里山林(大阪府河南町)を選び、4〜6月にかけて生息調査を実施した。また、東日本の同種の3個体群について、生活史形質の比較をするために、飼育を開始した。里山林のインベントリーについては、大阪府能勢町の三草山において、チョウ類、ガ類、オサムシ類、アリ類等を対象に調査を行つた。ガ類については、2003年6、7、9月にライトトラップ調査を行い、約3,000個体を採集した。得られたガ類はすべて乾燥標本とし、同定の結果、34科642種が確認されているが、さらに未同定種や群集構造について解析を行つている。オサムシ類および土壌性コウチュウ類についても、それぞれピットフォールトラップとツルグレン装置によるサンプリングを行い、同定・解析中である。ヒョウモンモドキについては、世羅台地(広島県)で生息調査を行い、幼虫・蛹を飼育した。さらに、成虫期(6〜7月)に、同種の生息地の植生調査を実施し、蜜源植物や寄主植物の種構成と密度などを、同種の生息しない畦畔と比較した。タガメ、ゲンゴロウの野外調査は、それぞれ大阪府能勢町、奈良県都祁村の棚田において、マーキング法を採用し、稲作水系における生活場所利用の実態と寿命、移動・分散の範囲を調査した。野外調査と並行して、ゲンゴロウ類の室内飼育を行った。
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