研究課題
基盤研究(C)
1 カスミサンショウウオにおけるメタ個体群の絶滅リスクの推定ハビタットモデルと野外調査によって潜在生息適地の空間密度がカスミサンショウウオの地理的分布に影響していることが明らかになった.コンピュータシミュレーションによってメタ個体群のスケールでの生息地占有パターンの再現を試み、推定された生息地占有パターンと実際の野外での分布パターンとの一致からベイズアプローチによって最適なモデルを選択した。シミュレーション結果は孤立した生息地における再移住率の低下がメタ個体群の絶滅リスクの要因とる可能性と、シンク生息地であっても再移住のための飛び石となる生息地を配置することが絶滅リスクを軽減することを示唆した。2 オオサンショウウオの繁殖期移動への河川構造物の影響オオサンショウウオは繁殖期前に遡上するが、農業用の堰堤による遡上阻害の可能性が危惧されている。本種の密度が高い武庫川水系羽東川の中流域上流において規模の異なる6つの堰堤を含む区間(1523m)を調査した。本種をチップによって104個体識別し、再捕獲の位置より、各堰堤をそれぞれ十数個体が超えて遡上したことを確認した。しかし、堤高が30cm以上あり、かつ傾斜が30°以上の、両岸が護岸された堰堤では、繁殖期前に多数の個体が発見され、遡上の阻害が示唆された。3 ミトコンドリアD-loop領域の多型によるカスミサンショウウオ地域集団間の遺伝的距離の推定昨年度設計したカスミサンショウウオmtDNAの調節領域(D-loop)を増幅するプライマーによって、滋賀県から山口県までの24集団由来の個体から抽出したDNA標本を用いてこの領域の塩基配列を決定し地域集団間の遺伝的距離を推定した。全標本中に現れたハプロタイプは29であり、大きく以下の5つのグループが識別された。(1)岡山県、香川県、徳島県、兵庫県の集団、(2)和歌山県の集団、(3)滋賀県と大阪府の集団、(4)島根県と山口県の集団、(5)鳥取県の集団。このうち島根県と山口県は地理的にモザイク状に遺伝的に異なる集団が存在した。
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