研究代表者(杉山)は、マイノリティ女性文学、女神信仰、宗教とジェンダーについての文化のそれぞれについて文献表を作成し、それに基づき資料を収集し、二度にわたり渡米、インディアナ大学のスーザン・グーバー教授らよりレビューをうけ、その成果をいかして、平成16年度には博士論文を完成させ、インディアナ大学英文科よりPh.D.を授与された。この博士論文をまとめ、あるいは発展させた形で、平成16年中に3回、平成17年中に4回の学会での口頭発表を行なった。平成16年の発表はアメリカ学会、日本女性学会、企業家研究フォーラム冬季大会(いずれも全国大会)、平成17年の学会発表はMESA(多民族文学学会)、新英米研究会(いずれも全国大会)およびアジア系アメリカ文学会、立命館アメリカン・セミナー(いずれも国際学会)である。これらの発表の内容およびそれを発展させたものとして、共著4冊を出版(当報告書11を参照)した。また現在論文二本論文のうち「権威ある母と平和を愛する父:家族・権力・テクノロジー」(仮)は『学際講座アメリカ・第四巻組織から見るアメリカ--家族、教会、学校、コミュニティ、団体』(ミネルヴァ書房)に、「"(It‘s Only) Skin Deep"--トニ・モリソンのパッシング小説」は学術誌『言語文化』に掲載予定である。またこの単著の内容を英文で作成したものをアメリカ合衆国内で発表する可能性についても検討中で、そのための原稿も現在執筆中である。またこれらの成果の集大成として、単著『母親の語り、母親の力--現代アメリカ小説の中の女神たち--』(仮)を執筆中、平成17年度以内に完成の予定である。
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