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2004 年度 研究成果報告書概要

「カップル・キャリア」の比較ジェンダー分析

研究課題

研究課題/領域番号 15510219
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 ジェンダー
研究機関日本大学

研究代表者

小笠原 祐子  日本大学, 経済学部, 教授 (40286191)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワード性別分業 / 生計維持 / 共働き
研究概要

家事・育児・介護分担に関する研究が多数報告される中で、生計維持分担に関する調査は十分になされてきたとは言えない。しかし生計維持と家事・育児・介護分担は、いわばコインの表と裏の関係になる。生計維持分担があいまいなまま家事・育児・介護分担のみを議論するのは、等式の一方のみを取り上げるに等しい。
生計維持者には、仕事を辞める選択肢がない。生計維持責任を果たすということは、長期にわたり働き続ける覚悟をするということである。つまり雇用は、生計維持の必要条件ではあるが、十分条件ではない。生計維持においては、単に仕事をするという行為だけが問題なのではなく、仕事をする行為の"意味"が問題なのである。本研究では、夫と妻の雇用に付与される意味に着目し、フルタイムで継続就業する共働き夫婦30組へ聞き取り調査を実施した。
調査の結果、同じようにフルタイムで継続就業する共働き夫婦といえども生計維持分担意識はさまざまであり、妻の雇用に生計維持の意味を付与している生計維持分担意識の高い夫婦と、そのような意味を付与していない分担意識の低い夫婦が存在することが明らかになった。分担意識の低い夫婦においては、生計維持者たる夫の仕事が妻の仕事より優先され、家庭と仕事の両立が問題となるのはもっぱら妻の方であった。これに対し、生計維持分担意識の高い夫婦は、2人がともに生計維持者として就業を継続できるよう働き方を調整していた。これは、夫婦両者の就業に一定の制約をもたらす一方で、生計維持責任を1人で負担しなくてもよいが故の自由度も与えていた。前者の夫婦は、どちらかと言えば旧来型の企業中心の生活を送る傾向が見られたのに対し、後者の夫婦は、脱企業中心のライフスタイルを希求するケースが多く、働き方やライフスタイルが一部の階層で夫婦の選択となってきていることが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 有償労働の意味--共働き夫婦の生計維持分担意識の分析2005

    • 著者名/発表者名
      小笠原祐子
    • 雑誌名

      社会学評論 221(予定)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Meaning of Paid Work : The Analysis of Working Couples' Attitudes Toward Joint Responsibility for Income-Earning2005

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogasawara
    • 雑誌名

      Sociological Review (in Japanese) 221(Forthcoming)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Coupled Careers in Contemporary Japan2004

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogasawara
    • 雑誌名

      2004 Work, Employment and Society Conference

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 「カップル・キャリア」に関する研究2004

    • 著者名/発表者名
      小笠原祐子
    • 雑誌名

      組織学会2005年度年次大会

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Twin-Career Couples in Japan and Their Reproductive Strategies2004

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogasawara
    • 雑誌名

      Anthropology of Japan in Japan 7^<th> Annual Meeting

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] A Study of Coupled Careers2004

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogasawara
    • 雑誌名

      2005 Annual Meeting of Organizational Association

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] Social Inequalities in Comparative Perspective2004

    • 著者名/発表者名
      Yuko Ogasawara(共著)
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      Blackwell Publishing
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-11  

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