研究課題/領域番号 |
15510222
|
研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
細谷 実 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10209249)
|
研究分担者 |
小玉 亮子 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (50221958)
加藤 千香子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (40202014)
|
キーワード | 近代史 / 心性 / 教育 / ジェンダー / 日本 / 男らしさ / アメリカ / トランスジェンダー |
研究概要 |
近代日本においてどのような男性性がどのような布置の中で競合・協働してきたのか、という全体像の概念を明らかにするためめ第一段階として、「複数の男性性の全体像」マッピングを行なう時期であった平成15年度においての研究成果は以下の通りである。 まず既存の研究成果の整理と把握、そして今後のマッピング作業における課題の明確化のために、(1)小玉亮子(研究分担者)によるアメリカ男性史研究の動向報告、(2)加藤千香子(研究分担者)による国内の男性性に関する歴史的研究の動向報告、(3)星乃治彦(研究協力者、キューネ『男の歴史』の翻訳者)によるドイツ男性史の動向報告、およびクィア理論との接合など研究方法論についての専門的知識の提供、を受けた。 また、マッピングの基点とするべく、日本における近代的男性性の構築過程を考える上でのキーパーソンの言説を、研究分担者・協力者がそれぞれ1〜2名ずつ分担して研究し、成果は研究会等で相互に検討した。その上でこの成果は、雑誌『現代のエスプリ』に「特集・マスキュリニティの歴史(仮題)」掲載論文としての発表が決定している(刊行は平成16年8月の予定)。 さらに、上記雑誌掲載以外の成果に関して公表する印刷物『モダン・マスキュリニティーズ』を発行した。内容は熊田一雄(研究協力者)による安岡正篤論ほか研究論文3本と、福澤諭吉・井上哲次郎・大町桂月他15人の男性性関連言説についての、研究分担者・協力者による文献解題である。これによりマッピングの基点となるキーパーソンの男性性関連言説について、概要を明らかにするにまで至った。加えてキーパーソン分析では埋める事のできないマッピングの空白部分を明らかにすべく、平成15年度は『近代日本青年期教育叢書 第III期』を購入し、青年団関連言説にあらわれた男性性についての分析作業を開始した。これに関しては来年度への継続作業となる。
|