研究課題
基盤研究(C)
本研究が4年間に予定していた計画と、それぞれにおいて得られた成果は以下の通りである。(1)近現代日本の言説空間においてどのような男性性がたちあらわれ、どのような社会的事象を生みだしたのか、またそれぞれの男性性がどのような布置の中で競合・協働してきたのか、という全体像のマッピング:新聞雑誌等の文献大量調査については、1930年代『東京朝日新聞』『東京日日新聞』等にあらわれた「モダン・ボーイ」と「三勇士」言説の分析、明治期『愛国婦人』における兵士言説分析、中学校同人誌r初雁』における「青年」言説分析などをおこなった。一方で教科書や育児書などの分析は完全に終了せず、今後の課題となった。したがって、競合・協働の全体像のマッピングの完成までにはまだ必要な作業が残されているが、研究協力者等よりアメリカやドイツの男性史の知見について専門的知識の提供を得たことで、全体像についての仮説提示までにはいたることができた。(2)男性性の歴史的構築におけるキーパーソン達についての人物研究を行い、個別の思想についてのより具体的で詳細な考察を深め、かっそれを(1)で明らかにした近現代日本における男性性問の競合・協働の全体像の中に位置付ける:大町桂月、出口王仁三郎、山田わか、石川啄木、福沢諭吉、新渡戸稲造、中山みきなど、さまざまな人物研究を行なった。その結果、国民軍形成過程における「武士形象」と「男」であることとの複雑な関係性など、新たな知見を1獲得した。(3)(1)(2)の成果を公刊し、また成果に関するシンポジウムを開催する:2003年度に年次報告書『モダン・マスキュリニティーズ2003年』を刊行・頒布したことで、男性史への関心をひろく喚起することができた。シンポジウムについては、ジェンダー史学会のシンポジウム参加などを行なったものの、本研究プロジェクト単独での開催には至らず、今後の課題となった。
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現代のエスプリ・別冊特集・セルフ・アイデンティティー/拡散する男性像
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GENDAI NO ESPURI (L'esprit D'aujourdhui)(Shibundo) 446