研究課題/領域番号 |
15510223
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研究機関 | 名古屋経済大学 |
研究代表者 |
水田 珠枝 名古屋経済大学, 経済学部, 教授 (60079316)
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研究分担者 |
見崎 恵子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70030690)
志村 明子 中京大学, 社会学部, 教授 (60097863)
吉田 啓子 名古屋経済大学, 短期大学部, 教授 (70240281)
山田 綾 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50174701)
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キーワード | フェミニズム / ラディカリズム / アナキズム / 社会主義 / 明治末期、大正期、昭和初期 / アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス |
研究概要 |
本年度は、資料の収集整理と、研究課題の枠組みを明確にすることを重点に研究をすすめた。 1.資料の収集整理 国別に担当者が中心となって、資料の調査・収集整理をおこなった。科学研究費では、20世紀初頭の日本フェミニズムに関する復刻版の入手と、欧米の原資料やマイクロフィッシュからの複写をすることができた。なお、資料の収集整理は今後も継続する。 2.研究発表と理論的枠組みの検討 本年度は5回の会合を開き、各人が研究発表をし、相互に批判・検討をおこなった。山川菊栄を中心とする家族論の展開(吉田)、新婦人協会や女性アナーキストの思想と運動(志村)、フランスのラディカル・フェミニスト(M.ペルティエ)とフリーメーソンおよびアナキズムとの関係(見崎)、研究の前段階として戦前戦後の日本の性教育(山田)、アメリカの社会主義フェミニスト(ジョセフィン・コンガー・カネコ)の思想(大橋研究補助者)、平塚らいてうの思想的背景としてのドイツ哲学(水田)の報告があった。 現代のフェミニズムは、20世紀初頭のフェミニズムをフェミニズム第一波と名づけ、リベラル・フェミニズムあるいは社会主義婦人論といった枠組みで理解し、しかもそれらは役割が終わったものとみなしてきた。しかし、現在の女性が求めている社会的状況・個人的生活の変革、それにともなう女性および男性の意識の変革は、すでに20世紀初頭の女性が直面した課題であった。こうした視点から、本研究では、従来のフェミニズムの枠組みをひとまず取り除き、グローバルな視野から、フェミニズムが持つラディカル性を把握する枠組みの再構成を目指している。
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