研究課題
基盤研究(C)
1970年代の女性解放運動(第二派フェミニズム)の台頭以来、"婦人参政権"の実現という目的を掲げた20世紀初頭のフェミニズム(第一波フェミニズム)の役割は終ったとみなされてきた。しかし、第一波フェミニズムが取りあげていたのは"婦人参政権"の問題にとどまるものではない。そのなかには第二派フェミニズムが新たに提起したとする課題の多くがすでに取りあげられ、論じられていたのである。本研究は、第一派フェミニズムが取り組んだそれらの課題を明らかにするとともにその社会的国民的バックグラウンドを比較しながらその系譜を跡付けることを意図しているが、その研究成果は以下のようである。第一に、第一派フェミニズムをリードした3人の日本人女性、すなわち平塚、山川、高群を取りあげている。水田の論文は平塚の認識論におけるドイツ観念論の影響を分析したものである。吉田の論文は山川の恋愛・結婚・家族論に基づいて社会主義者山川における個人主義思想を明らかにした。志村の論文は高群をフェミニストのなかの母性主義者アナーキストと位置付けている。第二に、見崎の3つの論文はその時代におけるフランスのフェミニズムの様々なタイプを取り上げ、ラディカル・フェミニズムの基本的な位置はフェミニストとしての女性の自立性にあると結論付けている。第三に、大橋の2つの論文はアメリカにおける社会主義とジェンダーの関係を取り上げ、特に2つめの論文では、諸雑誌におけるバース・コントロール論議を取りあげている。山田の論文はアメリカにおけるパブリック・スクールにおける共学とフェミニズムの関係を取り上げ、それは日本や西ヨーロッパのものとはまったく異なることを明らかにした。
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愛知教育大学研究報告(人文・社会科学編) 第55号
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The Bulletin of Aichi University of Education (Humanities・Social Sciences) vol.55
ページ: 101-109
ポートレイトで読むマルクス(極東書店)
ページ: 47-62
社会科学論集(名古屋経済大学紀要) 第70号
ページ: 1-26
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愛知教育大学研究報告(人文・社会科学編) 第54号
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歴史研究(愛知教育大学歴史学会) 第51号
ページ: 15-35
ジェンダー研究(東海ジェンダー研究所) 第8号
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Journal of Social Sciences (Nagoya Keizai University ) Vol.70
Reading Karl Marx by Portraits (Oomura Izumi, Kubo Shunichi et al. (eds.))(Kyokuto Shoten)
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Journal of Social Sciences (Nagoya Keizai University) vol.70
The Bulletin of Aichi University of Education (Humanities・Social Sciences) vol.54
The Rekishi Kenkyu : Historical Studies in Aichi University of Education vol.51
Gender Studies no.8
中央大学社会学部紀要 第19巻1号
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初期社会主義研究 第17号
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Chukyo University Faculty of Sociology Bulletin vol.19, no.1
Early Japanese Socialism Studies no.17
School and Politics : Neo - democracy Education (Osaka : Forum・A) (KOYASU, Jun, YAMADA, Aya and YAMAMOTO, Toshiro(eds.))