本年度は、研究論文・図書に示されたように、環境思想・哲学の文献を踏まえる形で環境的正義の基礎的背景の理論を探求し、また情報技術の基礎理論のターミノロジー学を研究した。同時にまた、海外調査および資料収集一件、および国内調査および資料収集二件を行った。海外調査では、米国西海岸周辺において、カリフォルニア州立大学バークレー校にて資料収集を中心に行い、後半はヨセミテ国立公園の現状視察を行ったほか、自然保護運動と社会的公正をめぐる問題のぶつかりあいの現状について、フンボルト郡にて生命地域主義に関わって調査を行った。 本調査では、バークレー校では、自然の権利訴訟に関するものなど、貴重な資料を得ることができ、ヨセミテ国立公園においては自然保護の模範とされる所以を実感するとともに、人間と自然とのバランスという国立公園が発足以来抱える問題についても触れることができた。日本においては、日本エコロジズムの系譜を念頭において、田中正造関係で足尾銅山周辺の現状視察と資料収集を行ったほか、青森県にて安藤昌益に関する資料収集と、岩手県にて宮沢賢治の資料を収集した。
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