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2003 年度 実績報告書

時間論をてがかりとした道元の思想構造の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520010
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

佐藤 光子 (頼住 光子)  お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (90212315)

研究分担者 高島 元洋  お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (90127770)
キーワード道元 / 日本仏教 / 禅 / 曹洞宗 / 時間論 / 悟り / 『正法眼蔵』 / 有時
研究概要

本年度においては、時間論を軸とした道元の思想構造の文献的解明のために不可欠な、『正法眼蔵』本文の注解を、「有時」巻、「現成公案」巻、「大悟」巻、その他の関係諸巻を中心に行った。各自の個人作業として行うと同時に、適宜、研究会を開催し、疑問点の洗い出し、検討なども行った。その結果、道元独自の時間論を理解するにあたっては、以下の点が重要であることが、明らかになった。
・悟り(果)と修行(因)、全体と部分、世界と自己、師(法灯が継承される系譜も含めて)と弟子などが、対立しつつ通底する構造が、道元の時間観、世界観、人間観の根底にあること。
・この構造に立脚して、道元の時間論を検討するとき、「有時」と「経歴」という二概念(この概念が、全面的に展開されるのは、道元がその独自の時間論を集中的に論じている「有時」巻である)が重要であること。
・さらに、「有時」という言葉が、矛盾しつつ相即する構造を、悟りの世界、すなわち、諸存在が相依相即し関係しある全体世界という総体から、個々の修行者へと方向性において、使われる言葉にあるのに対して、「経歴」という言葉が、その反対の方向性、すなわち、個々の修行者が、全体世界へと自らの修行において超出する方向性において使用される言葉であること。
以上の成果をふまえ、次年度以降は道元の時間論の、日本倫理思想史、東アジア仏教史上における意義を解明すると同時に、他の宗教的時間論と比敬することにより、道元のそれの独自性を浮き彫りにしたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 頼住 光子: "中国仏教における「因果」観念の展開に関する覚書"お茶の水女子大学人文科学紀要. 第57号(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 頼住 光子: "仏教の「因果」観念の成立と展開に関する覚書-仏教以前と初期仏教における「因果」観念について"お茶の水女子大学人間文化研究年報. 第27号(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] 頼住 光子: "仏教における倫理の位置付けをめぐって"『倫理と超越-日本思想史の根拠をめぐって』神田外語大学. (発表予定)(未定). (2004)

  • [文献書誌] 高島 元洋: "「日本思想史」に関する方法論的反省"『倫理と超越-日本思想史の根拠をめぐって』神田外語大学. (発表予定)(未定).

  • [文献書誌] 高島 元洋: "河竹黙阿弥と演劇の近代化"西村清和也編『近代日本の成立-西洋経験と伝統』ナカニシヤ出版. (発表予定)(未定). (2004)

  • [文献書誌] 高島 元洋: "アジアにおける思想の多様性と主体性"『淡江大学国際研究学院日本研究所創所二十周年記念論集』台湾・淡江大学. (発表予定)(未定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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