今年度は、研究期間の最終年度であり、1、論文発表、2、資料文献収集、3、研究成果報告書のまとめを中心に研究課題に関する研究を行なった。1、論文発表。(1)、前年度に引き続き、研究課題と密接に関連する環境倫理学および環境哲学について、1970年代に成立した米国での成立過程に関する研究を行ない、論文として発表した。(2)これについての補充するべきところや関連する研究は、研究報告書の一部として掲載した。2、資料・文献収集。米国の最近の文献、資料はある程度収集できたが、絶版等で入手不可能な文献も多い。いくつかの方法を利用して今後も収集に努める予定である。3、研究成果報告書のまとめ。研究成果報告書は、本編(第1部環境倫理学の成立、第2部自然の権利、第3部環境問題と徳、第4部生命圏倫理学)、補論(第5部)、付論(第6部)の3つで構成し、全141頁にまとめた。4、その他。今年度は研究成果報告書のまとめに時間をかけたので、研究発表や研究交流は最小限にとどめた。研究交流としては、東北大学大学院農学研究科長谷部正教授を研究報告者として研究会を催した。 研究発表ではないが、平成17年度中国・四国国立大学等共同授業で「「自然の権利」という環境倫理思想について〜哲学的考察〜」という題目で講義を行ない、課題研究の成果の一部を講義等に生かすことができた。また、編集中につき発表済みの成果として記載できないが、本研究に関連する生命環境倫理学に関するドイツ語文献(L・ジープ『具体倫理学』、丸善から出版予定)の翻訳作業に分担者として従事した。
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