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2005 年度 実績報告書

理論的・実証的探究に基づく応用倫理諸部門の流合可能性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520020
研究機関熊本大学

研究代表者

高橋 隆雄  熊本大学, 文学部, 教授 (00145278)

キーワード応用倫理の統合 / 生命倫理 / 環境倫理 / 情報倫理 / ケア / 自己決定 / 調査に基づく倫理学
研究概要

2年間にわたって、生命倫理と環境倫理の統合可能性、他の応用倫理との連関について、理論的・実証的の両面から研究をしてきたことを踏まえて、今年度は、これまでと同様に理論的・実証的の両面から、応用倫理の統合可能性に関する研究を行った。理論的側面においては、内外の文献・資料を収集し、これまでの倫理学の歴史において蓄積されてきた議論に基づきつつ、今までの成果である「ケア」による統合可能性の道を探究した。具体的には、生命倫理、環境倫理、情報倫理に加えて、技術者倫理(工学倫理)も射程に収め、「ケア」概念と「いのち」という概念の関係、それと複雑系との連関を探った。そして、複雑さを増したリスク社会における自己決定のあり方を再検討することで、これまで応用倫理において中心とされてきた自己決定概念を相対化する視点を得ることができた。これは、複雑系をなす「いのち」の諸領域(生命、自然、社会、情報、人工物)における倫理の基本的観点をケア概念に据えるときの自己決定概念の位置づけでもある。
本研究のもう一方の極を形成する実証的研究については、「自由」、「幸福」など倫理学における基礎概念の「尺度」形成を試みた。また、具体的な倫理的問題が生ずる場面での「自己決定」のふさわしさの程度を問う調査も実施した。予算の制約上、いずれも対象は熊本大学生であった。理論と実証との相互連関という観点からすると、今年度はどちらかというと理論のほうに比重がかかったと思われる。調査に基づく倫理学というこの領域は前人未到のものであるため、今後も試行錯誤を伴う探究が不可避と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] いのち・リスク・自己決定2006

    • 著者名/発表者名
      高橋隆雄
    • 雑誌名

      先端倫理研究 創刊号

      ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 生命と環境の倫理:ケアによる統合2005

    • 著者名/発表者名
      高橋隆雄
    • 雑誌名

      生命倫理 15巻・1号

      ページ: 46-50

  • [図書] Taking Life and Death Seriously: Bioethics from Japan2005

    • 著者名/発表者名
      高橋隆雄(編著)
    • 総ページ数
      335
    • 出版者
      Elsevier

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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