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2005 年度 研究成果報告書概要

日本人の倫理における現実への再生という観念の研究--中世の出家〓世の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 15520023
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 哲学・倫理学
研究機関神田外語大学

研究代表者

窪田 高明  神田外語大学, 外国語学部, 教授 (80195502)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
キーワード倫理学 / 思想史 / 民俗学 / 遁世 / 聖 / 浄土
研究概要

「出家遁世」という行為を、死の準備、現世を否定する行為という側面ではなく、出家の後、あらたにこの世を生きていく行為として捉え、その思想的な根拠を探究した。遁世が修行生活の開始である以上、これは当然のことであるにもかかわらず、日本では仏教、とくに浄土教の死への近さから、軽視されてきた側面である。これは、年老いて死に直面して出家するような消極的なケースよりも、みずから信仰を求める積極的な遁世者により強く該当する。出家遁世は、古代後半から中世にかけて、社会的に認められた行為の型となっていくが、そこに自らの思想的な表現を見いだそうとする場合には、出家遁世を思想として捉え、表現を与えることが求められる。
本研究では、出家遁世を生きることの一形態として理解することを目的としたが、その過程でそれを思想として形成し、表現することの意味を考える必要性が浮上してきた。
このような信仰が一つの思想としてどのように表現されることができたかということである。民間信仰は内面的な事実としての信仰ではあるが、それ自体が十分に体系的な思想として表現されているわけではない。しかし、それが思想化されていく場合、そこに含まれるさまざまの要素を体系化するという困難な課題が出現する。ただ、その場合でも、一挙に普遍的な思想形成の問題へ移行するのではなく、日本における宗教者の自覚のありように即して理解しなければいけない。この課題の場合には、日本の宗教において共通して見られる、宗教的な出来事、神仏の出現や発心の成立を物語的に表現する「縁起」という方法がとられることが多い。
このような追究の過程で、「神道と仏教のあわい」というテーマで公共哲学・京都フォーラムで発表を行い、それを同題の論文として提出した(提出先の事情で未刊)。また、雑誌「日本思想史学」において、『日本中世の歴史意識』(市川浩史著)の書評をおこない、日本仏教の基底的な表現について考察した。また、神田外語大学日本研究所に「遁世の思想の形」を提出したが、これも編集上の都合で未刊である。そこで、これらの内容の一部を含めて、を実績報告書に記載することで研究の内容を取りまとめて、提出することにした。

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公開日: 2007-12-13  

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