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2005 年度 実績報告書

身体のアルケオロジーに関する現象学的・認知科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520031
研究機関中京大学

研究代表者

長滝 祥司  中京大学, 教養部, 教授 (40288436)

キーワード身体 / 心身二元論 / 言語 / 間主観性 / 共同注意 / トマセロ / メルロ=ポンティ
研究概要

本研究計画の最終年度にあたる本年度の研究目標は、身体性認知科学において重要な役割を担っている発達心理学と進化生物学を参照しながら、身体を学習・適応論的な観点から考察し、これまでの2年間で得られた成果と統合することで、原身体に関する具体像を記述することである。これまでの研究成果から、原身体を記述するためにはデカルトの提示した心身二元論にもとづく身体観を再度検討しそれを批判的に乗り越えることが必要であるとの見解に達した。そのために、本年度は、デカルトの心身二元論を批判したメルロ=ポンティの身体論を考察しつつ、後者に欠けている部分を補うことによって、前者を乗り越えるという作業を遂行した。デカルトは身体を排除することによって、人間=精神という人間観をとることになった。一方、メルロ=ポンティの現象学は、人間における身体のもつ役割を強調した。私見によれば、前者は身体を軽視しすぎ、後者はそれを強調するあまり、人間に固有の精神性を身体にうまく接合することができなかったのである。特に、本研究では、後者に欠けている部分を補うために、発達心理学と進化生物学(ここではとくに霊長類学)の成果を参照し、霊長類の身体性と人間のそれとの異同を言語の起源という観点から考察した。ここで言語を問題にするのは、それが人間に固有の精神性を形成する不可欠の機能を担っているからである。付言すれば、本研究のめざす原身体は、たとえば高等動物の身体と共有する部分があったとしても、人間に固有の身体でなければならないからである。具体的には、トマセロの発達心理学と霊長類学の比較研究を現象学的な身体論に統合することで、メルロ=ポンティに欠けていた人間に固有の身体性を解明した。ここでは、とりわけ、「間主観性」という現象学的概念と「共同注意」という発達心理学的概念を再検討した。以上の成果が、論文「身体の現象学を再構築する」である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 身体の現象学を再構築する2005

    • 著者名/発表者名
      長滝祥司
    • 雑誌名

      思索 38号

      ページ: 113-138

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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