研究課題/領域番号 |
15520033
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
富吉 建周 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (60069515)
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研究分担者 |
中島 秀憲 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (60207769)
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キーワード | デカルトの根本問題 / 徹底的懐疑という哲学の方法 / 事実存在 / 哲学と諸科学 / 信仰と知識 / ヴュルテンベルクのピエティスムス / 初期ヘーゲルの信仰 / 「私は思う、故に私は存在する」 |
研究概要 |
1.滝沢克己の生涯に関する学術調査を、研究協力者の前田保とともに、3月9日、10日と、東京大学総合図書館及び同大学法学部事務室、さらに同大学駒場図書館及び同美術博物館(「第一高等学校展」)、同一高同窓会事務所にて、昭和2年の東京帝国大学のこと、大正13年〜同15年の第一高等学校について行う。本年度の実施計画にあげていた宇都宮市での調査は行うことができなかった。 2.滝沢克己の中期思想を画期づける二著作の積極的意義に関しては、『デカルト「省察録」研究』のみ--ただしこの著作だけでなくこの時期の滝沢克己のデカルトに関する全ての論稿にまで対象を広げた--を取り上げることができたにすぎない。従って『仏教とキリスト教』について、またそのサルトル哲学研究の意義の解明については次年度にまわさざるをえなくなった。 3.滝沢克己のカント・ヘーゲル哲学の研究について:初期ヘーゲルが滝沢克己に与えた影響を『現代哲学の課題』に探り、その研究成果を紀要論文にまとめた。滝沢克己のカント哲学研究に関しては、研究の端緒についたばかりで未だ成果をまとめるにはいたっていない。 4.K.バルトに大きな影響を与えたブルームハルト親子の思想について(特にピエティスムスとの関連で):現在、ピエティスムス的信仰を哲学的に表現したヤコービの哲学を中心に、ピエティスムス全般について研究している。夏にはその成果を学会で発表する予定である。また、本年度中にその成果を論文にまとめるつもりでもある。ブルームハルト親子の思想については、ピエティスムスの研究を土台にして研究にとりかかっている段階である。 5.滝沢克己と西田幾多郎・京都学派について:本年度は滝沢と西田の思想的対決の真相を探ることを主眼に研究を進めた。その成果を著作『西田幾多郎と滝沢克己…交流の真実』(平成17年5月または6月に出版予定)にまとめている。
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