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2004 年度 実績報告書

上海博物館蔵戦国楚竹書を中心とした新出土文字資料による戦国儒家思想史の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520041
研究機関鹿児島大学

研究代表者

末永 高康  鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (30305106)

キーワード戦国楚竹書 / 儒家思想 / 孔子詩論 / 性情論
研究概要

本研究計画の最終年度に当たる本年度は、単行の論文として部分的な成果を発表することよりも本研究全体をひとまとまりのものとして最終的に報告することを念頭において研究をすすめた。報告の範囲は『上海博物館蔵戦国楚竹書(一)』所収の資料に対応する。
まず『孔子詩論』については、諸家の説を統合して訳注を完成させるとともに、その簡序についての一応の確定を得た。この簡序の確定にあたっては、『孔子詩論』と同一の冊書をなすと考えられる『子羔』『魯邦大旱』(ともに『上海博物館蔵戦国楚竹書(二)』所収)の解析が不可欠であり、両者の訳注を完成させるとともに、問題の多い『子羔』の簡序についても一応の確定を得た。得られた結果の要点は、三篇は『孔子詩論』『魯邦大旱』『子羔』の順で冊書をなしていたこと、『孔子詩論』は前半が所謂「満写簡」、後半が所謂「留白簡」の順序であり、かつ「留白簡」の留白部にも本来は文字があり、簡1とされていたものが実はその末尾であったと推定されること、『子羔』は一篇としてのまとまりを持つこと、表題の「子羔」が記される簡は冊書の末尾から数えて三番目の簡になること、などである。また、戦国儒家思想史と関連させて、『孔子詩論』に見える「誠」について、それが『中庸』の「誠者、天之道也。誠之者、人之道也」の源流のひとつの所在を示していることを示した。『性情論』については、単に訓詁学的な注解を加えるのではなく、それぞれの文章が持つ思想的内容、思想史的意義に留意した形の訳注を完成させ、また、その思想を理解する上でポイントとなる部分を解説する文章を加えた。なお、『緇衣』については昨年度の研究成果を以て最終報告に当てる予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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