平成16年度は、(1)現地での資料収集、(2)聞き取り調査、(3)サンスクリット文献研究の3点を中心に研究を進めた。 (1)現地での資料収集に関しては、平成16年7月から8月にかけて、および平成16年12月から平成17年1月にかけてのインド出張において、平成15年度に映像資料を収集したマンガラーガウリー・ヴラタ(マンガラーガウリー・プージャー)に加え、サティヤナーラーナヤ・ヴラタ、ナーガパンチャミー・プージャー、マハーラクシュミー・プージャー等マハーラーシュトラ州で行われるヒンドゥー儀礼のビデオおよび写真撮影を行なった。またヒンドゥー儀礼に関するサンスクリットおよびマラーティー語文献を収集した。 (2)聞き取り調査に関しては、昨年度の調査対象であったマンガラーガウリー・ヴラタに関して、プネー市デッカン・カレッジ教授のマーダヴィー・コラトカル氏、ティラク・マハーラーシュトラ大学非常勤講師のシルパ・スマント氏に儀礼行為の宗教的意味、マハーラーシュトラ州でのこの儀礼の宗教的、社会的役割を中心に質問をした。調査の中間報告として平成16年7月24日〜25日に東京駒澤大学で開催された日本印度学仏教学会第55会学術大会において「マハーラーシュトラのマンガラガウリー供養」のタイトルで口頭発表を行ない、また『東海仏教』第50輯に論文を発表した(現在印刷中)。 (3)サンスクリット文献研究においては、マンガラーガウリー・ヴラタで使用されるサンスクリット・テキスト『サールタプージャー・サングラハ』の日本語訳を進め、またサンスクリット古典文献『マツヤ・プラーナ』におけるシヴァプージャーの記述を講読し、マンガラーガウリー・プージャーの記述との比較を通じてマンガラーガウリー・プージャーの特色を考察した。
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