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2005 年度 研究成果報告書概要

『現観荘厳論』における瞑想

研究課題

研究課題/領域番号 15520054
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 印度哲学・仏教学
研究機関名古屋女子大学

研究代表者

谷口 富士夫  名古屋女子大学, 文学部, 助教授 (90212042)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
キーワード『現観荘厳論』 / ヴィパッサナー / ゴエンカ / 四念住 / 四諦十六行相 / 三十七菩提分法 / don rnam / shes rnam
研究概要

『現観荘厳論』第4章第4偈において四念住は「一切相智性の110行相」の一つとして説かれている。この「念住」はテーラヴァーダ仏教では現在でも広く用いられている修行法である。そこで研究代表者は、四念住がどのように「現観」という瞑想法の一環たりうるのかを、実地調査した。その結果、「念住」が何層にも重なったメタ認識を駆使する営みであることが判明した。そして、瞑想におけるメタ認識の現実性を考慮に入れた結果、四念住が現観の対象の一つであると『現観荘厳論』において説かれるように、瞑想そのものがが瞑想の対象となりうることが実践的に可能なことであることを確認した。
仏教に新たな実践体系が形成されるときに、伝統的修行道がどのように受け入れられ、その新たな体系にどのように組み入れられるのかを、『現観荘厳論』に説かれる四念住を中心に、『倶舎論』に説かれる有部の修行道と対照しつつ考察した。その結果、現観の修行者は十六行相を観察しながらも、そこにメタの観点から、無執着や大乗の優越性などをさらに加えることによって瞑想を進めることを確認した。そして、四念住を有部が四諦十六行相観の準備段階としているように、現観においても四念住を実践しなければならなかった蓋然性を確認した。
チベット撰述の複註における"don rnam"(対象行相)と"shes rnam"(認識行相)という概念を参考にして、『現観荘厳論』に説かれる実践の「現観」の対象である173行相の特徴を考察した。その結果、『現観荘厳論』の加行(=現観、瞑想)の構造を、対象としての三種の全知の認識のあり方と、実践主体としての加行時の菩薩の認識のあり方という対立で捉えることが可能であることを確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 『現観荘厳論』における173行相2006

    • 著者名/発表者名
      谷口富士夫
    • 雑誌名

      日本印度学仏教学研究 54(2)

      ページ: 114-119

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The 173 Aspects of Omniscience in the Abhisamayalamkara2006

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, Fujio
    • 雑誌名

      Journal of Indian and Buddhist Studies 54(2)

      ページ: 114-119

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 伝統的修行道の受容と実践-『現観荘厳論』を中心として-2004

    • 著者名/発表者名
      谷口富士夫
    • 雑誌名

      日本印度学仏教学研究 53(1)

      ページ: 125-130

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The Acceptance of Tradhitional Practice in the Abhisamayalamkara2004

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, Fujio
    • 雑誌名

      Journal of Indian and Buddhist Studies 53(1)

      ページ: 125-130

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2007-12-13  

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