研究課題/領域番号 |
15520056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
諸岡 道比古 弘前大学, 人文学部, 教授 (70133915)
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研究分担者 |
山田 厳子 弘前大学, 人文学部, 助教授 (20344583)
小池 淳一 国立歴史民族博物館, 助教授 (60241452)
木村 敏明 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80322923)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 半島空間 / イタコ / カミサマ / 修験 / 漂着神 / 屋内神 / シラガミサマ |
研究概要 |
本研究の目的は、宗教の動態を宗教現象学的に観察し、その様相と歴史的地理的な諸要素を分析していくことにより、宗教の形成や実践について考察するものである。こうした宗教現象の動態の把握とその分析という研究視点に基づき、半島空間、つまり海と山に囲まれ、自立的かつ一定の閉鎖性をも指摘できる地域を設定して、詳細な分析を加えた。具体的には、青森県の夏泊半島において本研究を実施した。その結果として 小池淳一 「椿をめぐる伝説-青森県夏泊半島の椿明神-」 諸岡道比古 「半島における屋内神の研究-オシラサマをめぐって-」 木村敏明 「夏泊半島における「漂着神」信仰-その基盤と変遷-」 山田厳子 「夏泊半島における民間宗教者-移動と役割-」 小林亜希子 「青森県夏泊半島における生業の諸相とタビの受容」 村中健大 「日光院・清宝院所蔵資料解説」 という諸論文ならびに資料解説として結実した。 これらの研究成果の中で、小池は夏泊半島に鎮座する椿神社にまつわる伝説の分析を手始めに、祭祀の動態現象を里修験との関係から分析した。諸岡と木村は「サンヅク」という言葉で表現されるこの地域独特の信仰現象、つまり信仰のノエマを授かり、それらを屋内神や漂着神として祀る信仰現象の考察を行った。また山田は屋内神や漂着神がサンヅいたことを教えたり、占いを行ったりして夏泊半島の人々の生活にとけ込んでいる民間宗教者の分析を行った。小林はこれら信仰現象を支える生業について論じた。村中は夏泊半島における宗教調査・研究の基礎資料として必要不可欠な文書を翻刻・解説した。 こうした研究の結果、青森県にある下北半島や津軽半島における信仰現象との共通点と相違点が明らかとなり、下北半島と津軽半島の信仰現象と比べるとそれらの中間的な特徴を指摘することができるとともに、下北、津軽両半島には見られない夏泊半島独特の信仰現象を明らかにすることができた。
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