研究課題/領域番号 |
15520058
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹下 政孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30163398)
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研究分担者 |
内藤 陽介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (90262055)
柳橋 博之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70220192)
鎌田 繁 東洋文化研究所, 教授 (70152840)
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キーワード | イスラム / 非政府組織 / ネットワーク / ウラマー / シーア派 / 神秘主義教団 |
研究概要 |
1.補助金交付内定の通知を受け、5月21日に研究方針を話し合う筒1回会合が開かれた。冒頭、研究代表者である竹下が、イスラム神秘主義教団を媒介とした人的ネットワークが果たしてきた歴史的な役割について、主として、エジプトとトルコの事例を中心に報告した。そのうえで、神秘主義教団以外の非政府組織のネットワークについての基礎的な情報の蓄積があまりに少ない現状を踏まえ、まず、研究分担音が各自の専門に応じて基礎的な知識や情報の整理を行うことが課題であることが確認された。 2.竹下の報告を踏まえ、6月に、柳橋がイスラム法学者の師弟関係のネットワークについて、鎌田がシーア派系非政府組織の歴史と現状について、さらに、7月に、内藤が非政府組織の作成したビラや絵葉書などについて、それぞれ、既往の研究成果を元に報告を行った。 3.9月以降は、分担者の報告を通じて明らかになった緒問題について、各自がそれぞれの専門に応じて研究を継続するとともに、代表者と分担者が定期的に集まり、討議を重ねている。特に、分担者の柳橋は,在外研究の目的で、9月から3ヶ月間、シリアに滞在したため,現地で得られた情報・知見を分析し、その成果を2月に報告した。こうした討議の過程で、非政府組織自らの発する情報の信憑生をどのように確定するのか、また、たとえば、アフガニスタンのように、各種の非政府組鰍こ外国の政府が強い影響力を行使しているような場合、そうした非政府組純と当該国の政府との関係は実質的な政府間の外交の延長線上で捕らえるべきではないのか、といった意見も提示された。ただし、この問題こついては、個別にさまざまな角度からの考察が必要となるため、、来年度以降、さらに議論を深めたい。
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