16年度は、15年度にファイリングをすませたデータを入力し、集計・分析する作業を行った。全国の約450校の4年制大学を対象に、2002年度の全授業の中から「宗教」を主要な要素とするものをすべてピックアップし、一つ一つについて、それがどのような種類の授業であるかを分類した。分類の内訳は、 A宗教史的キリスト教 B神学的キリスト教 C宗教史的仏教 D教学的仏教 E儒教・道教 Fヒンドゥー教 Gイスラム教 Hユダヤ教 I宗教史的神道 J神学的神道 K比較研究 L日本研究・民俗学 M地域研究 N宗教哲学 O環境/福祉/生命/医療 Pジェンダー Q新宗教 R宗教学入門・概論・理論 S宗教心理学 T宗教社会学 U宗教人類学 V宗教と文学・芸術 W宗教と暴力・宗教の対立 Xその他宗教関係 Y宗教に関係のない生命倫理/環境倫理 Z科学と宗教 の26カテゴリーである。 他に、その授業が対象とする学部・学科の種類、必修/選択の別、教員名、教員の性別、単位数、教職用科目であるか否か、指定テキスト・参考書等を調べ、表に入力した。また、これとは別に、700余の全ての4年制大学について、それが宗教系かどうか、総合か理系か文系か、設立年は何年かについてデータベースを作成した。 授業分類・入力の過程で、非常に時間を要する作業であることがわかったため、17年3月の学会用には、先に100校の標本を抽出し、その集計・分析をもとに発表を行った。この学会は、第19回国際宗教学宗教史会議世界大会(開催地 東京)であり、「宗教教育の国際比較研究」をテーマにした二つの特別パネルをコーディネートし、各国(英、米、独、蘭、韓、日、インドネシア、ケニア)から研究者をパネリストとして招き、自分もパネリストの一人として参加した。このパネリスト全員の発表原稿をもとにした論文と、さらに数人の国外の執筆者による論文を集め、英文論文集を刊行する編集作業を進めている。
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