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2004 年度 研究成果報告書概要

翻訳とトランスカルチュレーション:ラプラタ地域における文化的領有の諸相

研究課題

研究課題/領域番号 15520073
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 思想史
研究機関明治大学

研究代表者

林 みどり  明治大学, 政治経済学部, 助教授 (70318658)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワード移民 / ラテンアメリカ / アルゼンチン / 土着 / ガウチョ / 文化翻訳 / メディア / 新聞・雑誌
研究概要

当該研究は、非ヨーロッパ世界にあってヨーロッパ移民によって大衆社会が構成されたラプラタ世界を対象に、早熟なモダニズムが出現しつつあった20世紀前半の社会文化現象を、「文化の翻訳」と「トランスカルチュレーション」の現象としてとらえなおし、そのメカニズムの基礎になる言説を明らかにすることを目的とした。
世紀初頭のラプラタの都市空間では、移民大衆が土着主義的なものを模倣しつつ、従来とは異なる異種混淆の文化的表現を創りあげたり、新たな文化的領野が大衆的な読書空間をつうじて拓かれていくなど、19世紀型のものとはまったく異なる文化的表現を生みだそうとする、一種の文化的エントロピーとでもいうべきものが高まりつつあった。
本論では、そうした文化的なダイナミズムの領域にあって進行していたプロセスを、トランスカルチュレーションの過程としてとらえなおし、そこにどのような文化的な<翻訳>のモメントが関わっているのかを、主に教養層の側からの変化への抵抗と反発の言説分析を中心に探り出すことを主眼においている。
本論第I部では、異種混淆の文化的表現が創りあげられるに至る過程で生じた文化的抗争の諸相、とりわけ同時代にディシプリンとして成立しつつあった自然科学や人文科学の成立プロセスが、トランスカルチュレーションが生じつつあった社会状況とどのように関連していたかという点に重点をおきつつ、思想史的な観点から析出した。
本論第II部では、第I部で扱ったような人文学上のパラダイム転換に、19世紀末から20世紀初めにかけての出版状況が深く関わっている点に注目。具体的にどのような出版文化状況が展開されていたか、そのいわば歴史的なトルソーを、書誌年鑑や大衆娯楽雑誌の分析を通じて彫塑した。今後は、同様の大衆娯楽雑誌の分析を他の雑誌についても行い、また文字メディアだけではなく映画その他の新たに出現しつつあったメディア分析にまで拡げていくことが課題となってくるだろう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 摸倣の文化政治 : ラプラタ地域における<他者>の領有をめぐる文化的抗争の分析2006

    • 著者名/発表者名
      林 みどり
    • 雑誌名

      明治大学人文科学研究紀要 第59冊(印刷中)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Cultural Politics of Mimicry. Analysis of Cultural Conflicts on Appropriation of 'Other' in La Plata2006

    • 著者名/発表者名
      Midori Hayashi
    • 雑誌名

      Jinbun Kagaku Kenkyu Kiyou vol.59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2007-12-13  

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