• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

美術作品の解釈における精神分析的方法の有効性と限界、その理論的・歴史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 15520085
研究機関京都大学

研究代表者

岡田 温司  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50177044)

キーワードフロイト / 夢 / 精神分析 / ラカン / 解釈 / 芸術 / 美 / 欲望
研究概要

本年度は主に、フロイト以前の19世紀における精神病理学や心理学、人類学や生物学などの言説と、芸術との関係に関する一次資料、二次資料の収集と読みに当たった。具体的には、エスキロル、シャルコー、チェーザレ・ロンブローゾ、トピナール、ポール・リシェなどである。ジェリコーからドガにいたるまで、とりわけ19世紀のフランス美術において、人間の身体や表情の描写に、当時の精神医学がどれだけ深く影響しているかをつきとめることがその目的である。また、フロイト以前の精神医学は、生物学や比較解剖学や人類学等とも密接なつながりをもっていたため、芸術における人体表現は、これらの知の領域をまたぐかたちで、学際的に探求されなければなちない。フロイトのレオナルド論やミケランジェロ論における、顔や身体、表情や身振りの表現にたいする強い関心と鋭い分析も、このような19世紀後半の知的・芸術的な文脈において捉えるなら、その意義がよりはっきりすることが明らかとなった。さらに本年度は、フロイト以前に夢に関心を示し、多くの夢のデッサンを残している、19世紀フランスの挿絵画家J・J・グランヴィルについて調査をおこなった。言葉を重視したフロイトと異なって、グランヴィルは視覚的なイメージによって夢を再現しようとしたが、その絵からは、「圧縮」や「置換」といったフロイト理論につながる特徴を指摘することができる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アガンベンの身振りと修辞2004

    • 著者名/発表者名
      岡田温司
    • 雑誌名

      アガンベン著『開かれ』(人文書院)

      ページ: 183-202

  • [雑誌論文] 肖像の脱構築2004

    • 著者名/発表者名
      岡田温司
    • 雑誌名

      ナンシー著『肖像の眼差し』(人文書院)

      ページ: 157-193

  • [図書] マグダラのマリア2005

    • 著者名/発表者名
      岡田温司
    • 総ページ数
      238
    • 出版者
      中央公論新社

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi