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2006 年度 研究成果報告書概要

美術作品の解釈における精神分析的方法の有効性と限界、その理論的・歴史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 15520085
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学・美術史
研究機関京都大学

研究代表者

岡田 温司  京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (50177044)

研究期間 (年度) 2003 – 2006
キーワードフロイト / ラカン / 精神分析 / 解釈 / 芸術
研究概要

芸術作品の解釈において精神分析的な方法がどこまで有効かを問うことが本研究のテーマである。この方法はもちろん、フロイトの二つのテクストを嚆矢とする。すなわち、1910年の「レオナルド・ダ・ヴィンチの幼年期のある思い出」と、1914年の「ミケランジェロのモーセ像」である。同じく芸術の問題を論じながらも、これら二つのテクストはある意味で対照的な性格を示している。前者は、作者であるレオナルドの幼年期、無意識、セクシュアリティ、抑圧、抑圧されたものの回帰といった、精神分析の基本的な理論を、芸術創造の心的メカニズムを解明するために「応用」したという性格を持つ。これに対して後者では、そうした精神分析の理論はほとんど議論の的とはならない。代わって、作品を前にした鑑賞者(フロイト自身)の反応を出発点とするといった性格が強い。このミケランジェロ論では、作品の特異な細部に着目することで、作品全体、ひいてはミケランジェロの芸術へと迫ろうとする。細部は全体の「徴候」とみなされるのである。前者が、作品の意味をあくまでも作者(の無意識)に求めようとするのに対して、後者は、作品は出会いとして、出来事として、そのつど意味を生起させていくことになる。精神分析が芸術作品の解釈においてなおも有効であるとすれば、そして今後も深化させることができるとすれば、それは、伝記主義的なレオナルド論の方法においてではなくて、「徴候」を発見的に問題化しようとするミケランジェロ論の方法においてである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 芸術の自己免疫化を超えて2007

    • 著者名/発表者名
      岡田 温司
    • 雑誌名

      インターコミュニケーション 59

      ページ: 156-162

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Over the Immunity of art2007

    • 著者名/発表者名
      OKADA ATSUSHI
    • 雑誌名

      Intercomunicatism 59

      ページ: 156-162

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 「帝国」と「ヨーロッパ」2006

    • 著者名/発表者名
      岡田 温司
    • 雑誌名

      ラチオ 02

      ページ: 288-313

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Empire and Eupro2006

    • 著者名/発表者名
      OKADA ATSUSHI
    • 雑誌名

      Ratio 02

      ページ: 288-313

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Ars e Bios2006

    • 著者名/発表者名
      OKADA ATSUSHI
    • 雑誌名

      Heibonsha

      ページ: 298

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 芸術と生政治2006

    • 著者名/発表者名
      岡田 温司
    • 総ページ数
      298
    • 出版者
      平凡社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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