研究概要 |
平成15年度は、データベース構築の作業、国内外での調査旅行、海外における発表を行った。 アテナイ異民族図像のデータベース構築の入力を開始した。既に図像の採録されている分について、W.Raeck, Zum Barbarenbild in der Kunst Athens im 6.Und 5.Jahrhundert v. Chr.(1981)およびM.F.Vos, Scythian Archers in Archaic Attic Vase-Painting (1963)の二つのカタログを参照して入力を始めた。データの入力に際しては、広島大学大学院社会科学研究科博士課程に在籍する大学院生2名の研究協力を得た。 8月に東京国立博物館において、9月に東京都美術館において、古代アテナイ異民族図像に関連する古代ギリシア陶器、彫刻などを実見し調査を行った。両博物館における調査は、古代ギリシアの外縁に位置するアジア各国の異民族の美術作品を調べることができた。 8月23日から26日にボストンのハーバード大学において開催された第16回国際古典考古学会(Associazione Internazionale di Archeologia Classicaによる主催)において発表を行った。古代アテナイ美術における「他者」像と関連する、ヘレニズム時代のアテナイ肖像彫刻における市民イメージを扱うもので、発表題目はDas Mosaik der Sieben Weisen in Neapelである。研究発表の他、欧米の代表的な学者、とりわけJ.Neils, S.Woodford, M.Miller等とのディスカッションを通じて、多くの新しい知見を得ることができた。
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