研究課題
基盤研究(C)
環境芸術を手がかりにした環境美学の構築を目的とした本研究の全体計画は、環境美学の理論研究と環境芸術に関わる個別の実証研究という二本の柱にそって実施された。前者は、ロマン主義の自然哲学ないし関連する美学、芸術学、環境論の研究、後者は英国、米国、ヨーロッパ各地の環境芸術の実地野外調査である。環境美学の理論研究に関しては、ロマン主義研究を中心にいわゆるドイツ・ロマン主義の思想家たちの残したテクストの精読を行い、19世紀以降、ひとびとの日々の界考に深く植え込まれだロマン主義的性格、ロマン主義的なものについての実情を明らかにした。なお、ロマン主義的なものの実情を把握するために、ロマン主義の画家フィーリプ・オットー・ルンゲの研究書の翻訳とその解説を成果の二部として刊行した(トレーガー『ルンゲ【ヒュルゼンベック家の子どもたち】』平成15年、三元社)。環境芸術に関わる個別の実証研究として、英国における環境芸術作品の調査と、英米の環境芸術に先導される形で欧州各地にも作られることになった環境芸術作品の調査を行った(米国に関してはテロによる政情不安などから調査を中止した)。個々の作品を通じてその歴史的展開を文化的・社会的背景との関連の中で明らかにすると同時に、さまざまな形態を取う環境芸術作品を、それを取り巻く環境を含めて分析・検討した。具体的には、多くの環境芸術作品に共通して認められるロマン主義的な性格を個々の作品のうちに確認し、また地域共同体への影響や関わりを含めたその現状と今後についての検討もあわせて行い、以上を報告書にまとめた。
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For the learners of German Idealism(Ryosuke Ohashi ed.)
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Environment and Ethics(Hisatakc Kato ed.)
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Environemental Aesthetics Research Project of Grant-in-Aid for scientific research 2002-2005(B)14310025
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