研究課題/領域番号 |
15520108
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
妹尾 好信 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10171357)
|
研究分担者 |
西本 寮子 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (70198521)
黒木 香 活水女子大学, 文学部, 助教授 (70195577)
古瀬 雅義 安田女子大学, 文学部, 助教授 (60238681)
森下 要治 広島文教女子大学, 人間科学部, 助教授 (50263645)
中村 康夫 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 教授 (60144680)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | 日本古典文学 / 源氏物語 / 古注釈 / データベース / 紹巴抄 |
研究概要 |
本研究は、『源氏物語』の古注釈資料を本文の文字情報と画像によるデータベースにして、検索システムに乗せることによって、広範な検索・利用に供する形に作り上げることを目的として行ってきた。翻刻本文と当該ページの画像とを相互に往き来することができ、文字情報の検索機能はもとより、他系統の本文との異同や『源氏物語』本文との対応も容易に参照できるデータベースの作成と検索システムの構築に3年間にわたって取り組んだ。 対象作品には、連歌師紹巴による注釈書『源氏物語抄(紹巴抄)』を取り上げた。54帖全巻にわたる大部な注釈書で、江戸時代初期に古活字本と整版本の2種の刊本が出て世に流布したものである。 底本には広島大学図書館蔵の整版本20冊を用い、全文を文字情報としてデータベース化するとともに、全巻の版面をカラーデジタル画像として撮影した。さらに、広島平安文学研究会が刊行した写本による翻刻『永禄奥書源氏物語紹巴抄』の活字版面の画像も撮影し、見開きページごとに相互に往き来できるようにした。そして、行ごとに古活字本との本文異同を参照できるようにした。さらに、『源氏物語』中の所在情報を『源氏物語大成』によって示したほか、『絵入源氏物語』データベースの利用者には両者をリンクさせることも可能にした。これらのデータを、独自に開発した検索システムとともにDVD1枚に収めた。 今回『源氏物語抄』を取り上げたのは、あくまでサンプルとしてである。注釈史上の重要性からは、例えば江戸時代に広く読まれた北村季吟著『源氏物語湖月抄』などのデータベース化がなされるとさらに有益であろうが、本研究で作成した検索システムを利用すれば、比較的容易にそれらのデータベース化と活用が可能になるはずである。 なお、本研究の成果として得られたデータベースと検索システムを、書籍とDVD-ROMの形で出版して広く学界の利用に供するべく検討中である。
|