1、本研究は、ニコノグラフィー研究の一環として最近非常に研究が活発な領域である名所図会研究を、オブジェクト指向リレーショナルデータベースを用いて行うものである。 2、対象とする名所図会は、『阿波名所図会』(2巻2冊、文化11年<1814>刊)・『金毘羅参詣名所図会』(6巻6冊、弘化4年<1847>刊)・『讃岐国名勝図会』(前編5巻5冊、嘉永6年<1853>刊)および、『江戸名所図会』(7巻20冊、天保5年<1834>刊)・『大和名所図会』(7巻7冊、寛政3年<1791>刊)・『都名所図会』(6巻6冊、天保9年<1780>刊)・『拾遺都名所図会』(4巻5冊、天明7年<1787>刊)、などである。 3、これらの名所図会を、出版学・情報流通論をベースにして、構築した名所図会データベースおよび周辺資料を用いて、文化論的手法により解析する事を最終の目的とする。 4、そのために本年度は、上記の『阿波名所図会』『大和名所図会』『江戸名所図会』を主たる対象として、名所図会のテキスト化および挿画の分類やキーワードの付与などを行うための名所図会のデータベース化について、方法論の構築をおこない、具体的作業を進行中である。 5、一方、本研究は先行研究がほとんどない研究領域であるので、分類やキーワードの付与、またデータベース化については、本年度に加えて次年度以降の研究によりさらに深めていく必要が強く認識されるところである。
|