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2003 年度 実績報告書

『太平記』諸本の総合的研究、ならびに本文データベース化のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520121
研究機関法政大学

研究代表者

小秋元 段  法政大学, 文学部, 助教授 (30281554)

研究分担者 長坂 成行  奈良大学, 文学部, 教授 (90131606)
キーワード中世文学 / 太平記 / 伝本研究 / 島津家文書 / データベース
研究概要

本研究の目的は、第一に『太平記』諸本の書誌学的・文献学方法に基づく整理・分類、第二に従来未研究であった丁類本(京都大学本・龍門文庫蔵豪精本等)の本文データベース化に置いている。
本年度は第一の目的を達成するため、諸本の調査・収集に努め、その見地から新たな伝本研究の可能性について追究した。まず、小秋元は巻三十六の細川清氏失脚記事の諸本の異同を調査し、従来最古態の本文を持つと信じられてきた甲類本(神田本・神宮徴古館本等)の本文が、この巻に限って乙類本(米沢本等)の本文より後出であることを解明した。このことにより、これまで考えられてきたよりも一層複雑な諸本の生成史が存在したことが窺える。また、長坂は東京大学史料編纂所により整理が進められた「島津家文書」の中より、江戸時代書写の『太平記』を発見し、新出伝本として学界に紹介した。これまでも島津家にはやや特異な本文を有した『太平記』抜書が伝来したことが知られていたが、新出本はこの抜書とも何らかの類縁関係を持っていたことが推定され、『太平記』諸本研究にとって貴重な発見となった。
一方、第二の研究目的である丁類本のデータベース化については、北村昌幸氏(金沢学院大学金沢東高校非常勤講師)・和田琢磨氏(早稲田大学大学院生)の協力を得て、京大本本文のデータ入力を終えたところである。利用者にとってより使いやすい資料とするべく、現在、校訂方法について検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小秋元 段: "『太平記』巻三十六、細川清氏失脚記事の再検討"日本文学誌要. 69. 9-14 (2004)

  • [文献書誌] 長坂 成行: "島津家本『太平記』の本文についての報告"奈良大学紀要. 32. 1-15 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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