研究課題/領域番号 |
15520122
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高橋 世織 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (50163267)
|
研究分担者 |
山崎 義光 大阪府立工業高等専門学校, 一般教養科, 専任講師 (10311044)
鳥羽 耕史 徳島大学, 総合科学部, 専任講師 (90346586)
佐藤 伸宏 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70148724)
森岡 卓司 山形短期大学, 国文科, 専任講師 (70369289)
畑中 健二 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助手 (30334551)
|
キーワード | 座談会記事 / データベース / 談話筆記 / 口語文体 / 速記術 / 日本近代文学 / 録音 / 声 |
研究概要 |
今年度は、主要な雑誌・新聞の座談会記事を分担調査するという基礎的作業を進めながら、各領域での座談会の特徴について考察した。個別の図書館調査を進める一方で、メンバーが集まっての全体研究会は3回行なった。1回目は、平成15年5月24日(東京)。共同研究メンバー全員が集まり、座談会記事の明治大正期の発生史的研究という共通テーマの調査・考察の方法と手段を協議決定し、座談会記事・参考文献のデータベースをWEB上で作成することとなった。2回目は、平成15年12月27日(大阪府立中央図書館会議室)で、鳥羽、畑中、森岡、山崎が中心になって天理図書館における共同調査の成果を討議し合った。3回目は平成16年1月24日(早稲田大学政経学部会議室)で、日高昭二(神奈川大教授)をゲストに招聘し、早大の院生、教授も参加する公開討議のかたちでの研究発表会を開催した。内容の濃い質疑や討論も交え、相互の情報交換も出来た。 今年度の成果として、共同で作成したデータベースが特記できる。座談会記事DBは、1771年の手島墸庵・有山玄統「坐談筆記」や1884年4月の木王・衲友「宗教将滅問答」にはじまり、19世記から20世紀初頭にかけての雑誌記事を中心に376件にも及ぶデータを集積した。従来顧みられなかった一次資料に基づくデータが多いため、座談会記事は菊池寛の『文藝春秋』にはじまるといた通説を覆すに足るだけのデータが既に集まっている。また、参考文献DBも23件のデータを集め、ほとんど参考文献の存在しなかった「座談会研究」について、研究を推進していくための確かな手掛かりを得た。これらの研究に基づく考察は次年度以降の課題だが、名自の図書館調査によるDB化は更に進行中であり、こうした形での基礎調査の集積は、それ自体がこれまでにない貴重な研究実績及び成果となるだろう。
|