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2003 年度 実績報告書

中世における医事的教養の研究-医事説話を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 15520125
研究機関南山大学

研究代表者

美濃部 重克  南山大学, 人文学部, 教授 (90065475)

研究分担者 辻本 裕成  南山大学, 人文学部, 助教授 (90249920)
中根 千絵  愛媛県立大学, 文学部, 助教授 (80326131)
福田 安典  愛媛大学, 教育学部, 助教授 (40243141)
キーワード国文学 / 中世 / 医事的教養 / 中国医学 / 医談抄 / 惟宗具俊 / 医心方 / 千金方
研究概要

鎌倉後期の宮廷医である惟宗具俊によって書かれた医事随筆である『医談抄』の本文ならびに内容についての調査研究を行なった。
同書は中国の宋時代に新たな進展を見せた中国古典医学の影響を受けて書かれたものと思われる。とくに医術ではなくて宮廷医の心得ておかなければならない知識と教養への興味によって書かれたものである。著作の直接のきっかけを与えたものは宋時代の医事百科事典ないし医事随筆ともいえる張の著作『医説』であったらしい。それに刺激されて医術書ではない医事随筆ともいえる本書が書かれたことが推定される。本書はほとんど中国の古典医学書に記される知識と教養のモザイクのような内容である。そこで、その実態を明らかにすべく『医説』のほか『千金方』『諸病原候論』『証類本草』などを中心に中国古典医学書、『太平広記』『太平御覧』などの類書、さらに『史記』『漢書』『後漢書』などの史書などに典拠を求めた。また日本の医事書としては後代の規範となった大部の医学書である平安中期の丹波康頼著『医心方』また鎌倉後期の惟宗時俊著『医家千字文注』などからの影響関係も確かめている。
これには大きく分けて二点の目的がある。第一は現存の『医談抄』の伝本が新しいもので、そのままでは学術的に本文を使用できないほどの誤りがある。それで学術的な使用にたえる本文を典拠との関係において確定すること、第二は鎌倉後期の宮廷医の知識と教養の幅を『医談抄』の典拠を明らかにすることを通して知ること、以上の二点を明らかにしつつある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 美濃部重克: "「鬼」と「虫」-医事説話研究の視座-"伝承文学研究. 53. 1-16 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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