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2004 年度 実績報告書

中世における医事的教養の研究-医事説話を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 15520125
研究機関南山大学

研究代表者

美濃部 重克  南山大学, 人文学部・日本文化学科, 教授 (90065475)

研究分担者 福田 安典  愛媛大学, 教育学部, 助教授 (40243141)
中根 千絵  愛知県立大学, 文学部, 助教授 (80326131)
辻本 裕成  南山大学, 人文学部, 助教授 (90249920)
キーワード鎌倉時代 / 惟宗具俊 / 医談抄 / 医事 / 説話 / 医説 / 太平御覧 / 太平広記
研究概要

鎌倉時代後期に宮廷医の惟宗具俊が著した『医談抄』を、『伝承文学研究資料集成』(三弥井書店刊)の一冊として刊行すべく文献学的研究を続けてきた。彦根城博物館、竜谷大学図書館、京都大学図書館、杏雨書屋、尊経閣文庫、京都府立総合資料館そのほかの文庫・図書館を訪問し資料収集にあたった。また月例会および夏季休暇中の集中合宿において各自が分担してまとめた作業成果をもちより研究討議を行なった。その結果、今年1月末にあらあらの作業を終えて、3月末を脱稿の時期として鋭意、執筆にあたっている。ただ、執筆を続けるうちに気付いた不備不足を再調査によって補う必要があるため、脱稿の時期は5月にずれこむ可能性が高い。秋の中世文学会の時期までに刊行できることは間違いない。
書物は、(1)出典調査によって得たところの出典および周辺の書物の詳細な注記そして出典本文との比較による本文の誤脱の注記を付した、研究者の使用に耐える『医談抄』の翻刻本文、(2)出典および周辺の書物の本文、(3)『医談抄』論、『医談抄』を中心に据えての医事説話論、中世の宮廷医の教養世界の概観、それらを内容とする解説、とからなる。
中国宋時代の新しい中国医学とその刊行書が鎌倉時代に輸入されるなかで、従来の古典医学書と新渡の医学書(特に『医説』)からの説話的また医術的な知識がモザイクのように組み合わされて医事説話集としての『医談抄』は成っている。そこには、他の説話世界でほとんど姿を見せない『太平御覧』『太平広記』がしきりに利用されてもいる。われわれの研究書はその様相を逐一に示すことを通して、説話文学研究の分野でも医学史研究の分野でも面白い知見を提供することのできる書物になるはずである。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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