研究課題/領域番号 |
15520127
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大島 薫 関西大学, 文学部, 助教授 (50319604)
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研究分担者 |
遠藤 邦基 関西大学, 文学部, 教授 (40021315)
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
蓑輪 顕量 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (30261134)
落合 博志 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (50224259)
曽根原 理 東北大学, 情報シナジーセンター, 助手 (30222079)
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キーワード | 法会 / 論義 / 説法 / 東大寺 / 円照上人 / 経釈 / 表白 / 談義 |
研究概要 |
本研究は、古代から宗教儀礼として営まれていた「法会」の実態を、その眼目であった「論義」と「説法」の言説、さらには寺院を取り巻く諸相(経済・構成ほか)に照らして明らかにすることで、日本中世の文化(宗教・文学など)や政治・経済など考究するものである。本年度は、昨年度に引き続いて東大寺図書館蔵『円照上人行状』を読み進めるべく、注釈作業を行った。また研究代表者と分担者は各々に、研究課題を考究するために必要な、文献資料の伝存状況を調査・収集するべく、寺院そのほか(東大寺・東寺観智院・醍醐寺・勧修寺・真福寺・神奈川県立金沢文庫など)において、聖教を中心とする文献資料の調査・収集を行った。その調査報告ならびに研究成果を交換するために、4月24日・9月17日・1月19/20日に集会をもった。 また、蓑輪・曽根原・大島は研究成果を公表するために世界宗教学会IAHR東京大会(3月27日於高輪プリンスホテル)において、「論義」「説法」「神祇」に関する口頭発表を行った。このほかにも大島は、仏教文学会近江大会において新出の説法資料成菩提院所蔵『悟抄』を紹介し、日本中世における唱導の構造を明らかにする口頭発表を行っている。 「法会」をめぐる研究課題は、研究代表者が専門とする日本文学に限らず、国語学・宗教学・日本史・日本思想史ほか、広範囲な学問領域をもって為されるべきことが提唱され始めている。しかし、本課題を考究するために必要な文献は公刊されていないことが多く、大島ほか、未翻刻資料の公刊に努めるべく、神奈川県立金沢文庫保管『釈門秘鑰』の公刊ほか、いくつか作業中であることを記しておく。
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