研究課題
基盤研究(C)
目的:戦時期文学及び敗戦期文学(一九四〇年代文学)の言語環境を、GHQ/SCAP関連資料や旧内務省1資料などの周辺資料から分析し、朝鮮戦争を経た「戦後」の文学を視野に含めた試論を提示する。具体的作案:教科書研究センターや教科書図書館東書文庫において、敗戦初期の「墨塗り教科書」以前の資料を収集した。また、国立国会図書館や早稲田大学中央図書館などにおいて、在米検閲原典資料と流布版本文とを対照し、併せて日本側におけるGHQ/SCAP関連資料の確認作業を行った。その作業の過程で、同大演劇博物館において発掘した検閲資料は、その初期制度を考察する上で貴重な資料であると考える。加えて、故林祐三氏などの個人所蔵資料の調査や、棚町知彌氏などの聞き書き調査を行い、その略歴や検閲活動の一端を記録文書として纏めた。故林祐三氏所蔵資料は、検閲資料が乏しい大阪地区の資料的な欠落を補い、日系二世元検閲員豊島氏の個人史は、第二次世界大戦における日米欧の関係史の上からも興味深いものであると考える。さらに、短期渡米調査による米国メリーランド州立大学マッケルディン図書館プランゲ文庫の原典調査による在米資料の収集と追確認作業を行った。研究成果:それらの資料分析を基礎とした私的な論考を積み重ね、一〇編の個別研究論文として公表し、また六件の口頭研究発表を行った。そして、プランゲ文庫管理責任者と研究の到達点を確認し、今後の研究計画を立案し、成果発表の機会を模索した(二〇〇七年八月九州大学おいてシンポジウム開催予定)。加えて、私的に作成する「敗戦期文学に関する私的年表」の項目追記と、その補訂作業を継続した(艇40万字以上のデータ化終了)。これは、「戦後」の文学を再考し、多義的な接近を可能にする研究基盤を構築するという目論見による作業である。
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すべて 雑誌論文 (30件)
敍説(敍説舎発行) 第10号
ページ: 138-179
社会文学(日本社会文学会発行) 第23号
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「よみがえる伊藤整」全記録(小樽市立小樽文学館発行)
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国文学-解釈と教材の研究(学燈社発行) 5月号
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平和文化研究(長崎総合科学大学長崎平和文化研究所発行) 第28集
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Zyosethu-Sya issue "Zyosethu" Volume 10
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Reconsideration about Sei ITOH's Literature, Otaru municipal literary hall issue "All record of "Sei ITOH reviving"
Gakutoh Co.issue, "Japanese Literature-interpretation and teaching materials"
Nagasaki Institute of Applied Science, Nagasaki peace cultural-studies center issue "Peace Cultural Studies" Volume 28
平和文化研究(長崎総合科学大学長崎平和文化研究所発行) 第27集
ページ: 106-152
Nagasaki Institute of Applied Science, Nagasaki peace cultural-studies center issue "Peace Cultural Studies" Volume 27
ページ: 106-52
太宰治研究(和泉書院発行) 第12集
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Izumi Shoin issue "the Dazai osamu Studies" Volume 12
文学(岩波書店発行) 9-10月号
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長崎平和研究(長崎平和研究所発行) 第16集
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Iwanami Shoten issue "literature"
The Nagasaki peace research center issue "the Nagasaki peace Studies" Volume 16
日本社会文学会九州沖縄ブロック大会 於・鹿児島純心大学 2003年11月9日
市立小樽文学館主催 於・小樽商科大学 2005年6月19日
林京子全集刊行記念講演会 於・長崎原爆資料館ホール2005年7月16日
日本社会文学会九州沖縄ブロック大会 於・佐賀大学教育学部 2006年7月22日
North American Coordinating Council On Japanese Library Resources於・米国メリーランド州立大学マッケルディン図書館 2006年9月21日
日本近代文学会秋季大会 於・九州大学医学部百年講堂2006年10月28日
Institute of Japanese Social Literature in Kyushu and Okinawa, at Kagoshima Junshin university, November 9,2003
Otaru Municipal literary hall sponsorship, at Otaru University of Commerce, June 19,2005
Kyoko HAYASHI's complete-works publication commemoration lecture meeting, at Nagasaki Atomic Bomb Museum, July 16,2005
Institute of Japanese Social Literature in Kyushu and Okinawa, at Saga university, department of education, July 22,2006
North American Coordinating Council On Japanese Library Resources, at McKeldin Library of Maryland university, September 21,2006
Institute of Japanese Modern Literature, at Kyushu university, medical department 100-year auditorium, October 28,2006