• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

近世前期刊本解題図録の作成をめざす書誌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520137
研究機関国文学研究資料館

研究代表者

和田 恭幸  国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (20260002)

キーワード文学 / 出版 / 近世出版 / 出版文化史 / 書誌学 / 近世仏教 / 日本文学 / 国文学
研究概要

平成15年度は、以下の4項目を研究活動として予定していた。
(1)書誌データの整理 (2)調査の実施
(3)データの電子化 (4)善本の確定
平成15年度の研究活動においては、上記の(1)に相当量の時間と労力を要し、ほぼ(1)に終始せざるを得なかった。(1)は、既に調査の完了した慶長年間から明暦年間にいたる書誌カード(5600件)の整理を指すものである。当該の書誌データは精粗の差があるため、全ての書誌カードを点検する必要があった。点検の開始後、書誌データに分類を付す必要が生じ、各所蔵機関の所蔵目録を参照しつつ、分類作業を行った。
分類は、和書(国書)・和刻本漢籍の2大別を基本としたが、仏書は古くから我が国に流通した書物であるため、和書(国書)・仏書(日本撰述を除く)・和刻本漢籍の3大別を採択した。各分類の中において、細分類を行ったが、古態の分類(近世書林書籍目録など)に拠らず、あえて現代的な名称を用いるよう努力した。内容を類推することを容易にするためである。一方、和刻本漢籍は四庫分類を用いた。
当該の作業により、予定していなかった研究成果が副産物として生じてきた。それは、近世初期における、和書出版の諸問題であった。近世ごく初期(寛永期を中心とする)においては、従来より「固い書物」(儒諸・仏書など)が趨勢を占めると解説されてきたが、むしろ和書出版の領域においては、中本形(近世中後期の中本よりは2〜3cmほど大きい)の実用書が頻繁に出版されていた事実が判明した。さらに、「御成敗式目」の版式は「庭訓往来」と酷似している等、従来の所蔵目録に採択される分類を改める必要性が生じてきた。そのため、「和書(国書)(分類名)の中に「実用書」の項目を設け、近世前期における実用書の変遷(小型本から絵入り大型本へ)を看取できるよう、試作をくり返した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 和田恭幸: "写本『怪談全書』解題と翻刻"国文学研究資料館紀要. 30号. 155-196 (2004)

  • [文献書誌] 和田恭幸: "説教と通俗仏書"国文学-解釈と教材の研究-. 49巻5号. 42-48 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi