1.書誌データの整理 現在に至る研究経緯の中で、集積してきた書誌データを整理し、分類を行った。分類は、仏書・和刻本漢籍・和書の3大別を基本とし、その内部でも細かな分類を試みた。この研究作業は、当初予測された時間よりも、より多くの時間を必要とし、今年度はこれに一番の労力を注ぐこととなった。データ量も、明暦末年にまで拡大したことから、処理するデータの量が2倍以上となり、困難を極めた。当該の研究作業は、平成17年度にも続行する予定である。 当該の研究作業が完成することにより、近世初期刊本の内容の特質(どのような書物が頻繁に刊行されたか)が明らかになる。 2.調査・収集の実施 今年度は、大東急記念文庫・財団法人東洋文庫など、本務先から距離的に近い特殊文庫に時間を割かれることとなった。主に、一度調書を作成したものの不備を補うための再調査であった。 3.データの電子管理 今年度は、本務先の事業で利用しているファイルメーカプロを使用し、調査時に使用する調書と類似の書式をパソコン画面に作成して、データ管理の方法を試行した。この方法は、今までの単純な「一覧表」よりも勝っている点が多く、次年度以後もこの方法を継続することとなった。 4.善本の確定 善本の確定は、いまだ困難を極めており、次年度の課題として残存することとなった。
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