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2003 年度 実績報告書

政治と詩学:ルソー『ダランベール氏への手紙』とジュネーヴ共和国

研究課題

研究課題/領域番号 15520138
研究機関北海道大学

研究代表者

佐藤 淳二  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30282544)

キーワードルソー / 18世紀啓蒙思想 / 演劇論
研究概要

本研究は、18世紀の思想家ジャン=ジャック・ルソーの1758年の著作『ダランベール氏への手紙』を、新たな研究枠組みの中で解釈しなおす研究である。とりわけ、ルソーをロマン主義の先駆けとしてのみならず、さらに現代性(la modernite)の先駆として位置づけることを目指している。当時のジュネーヴ共和国では、劇場が存在せず、また演劇活動も自由には行えなかった。このような文化=政治的枠組みにおける劇場建設のプランは、啓蒙主義による文化政策あるいは広く近代化のプロジェクトとして捉えることができる。しかるに、このようなジュネーヴの近代化に反対する著作である『ダランベール氏への手紙』は、単に演劇に関係するのみならず、広く文化と政治との関係、共同体の倫理的基盤と表象との関係にも深く関わることになる。このような射程の広いものとして、このルソーの著作を読解することが可能となる所以である。研究代表者の佐藤は、この観点から2003年8月に、米国ロサンジェルシ市のカルフォルニア大学ロサンゼルス分校(UCLA)で開催された国際18世紀学会において、『ダランベール氏への手紙』を主題とした分科会にパネリストとして参加し、啓蒙のプロジェクトとルソーの立場の同一性と差異を主題として研究成果を発表した。同分科会には、この著作に関する世界的権威であるP.Coleman UCLA大教授、また斬新なルソー論を発表して注目されるO.Mostefaiボストンカレッジ大教授という英語圏を代表するルソー研究者、ならびに阿尾安泰九州大教授がパネリストとして参加し、佐藤を交えて活発で有意義な討論となった。この成果を、来年度は日本フランス語フランス文学会春季大会(白百合大学開催)において、新たに日本の研究者たちとともに再びパネル討論形式で発表する予定であり、今年度における海外研究者との交流に引き続き、国内の一線の研究者と意見交換を行い、これを機会にして研究のさらなる進展と深化を期したい。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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