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2003 年度 実績報告書

ブレイクの複合芸術における乳汁と乳房の表象

研究課題

研究課題/領域番号 15520147
研究機関筑波大学

研究代表者

今泉 容子  筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (40151667)

キーワードブレイク / 複合芸術 / 肉体 / 乳汁 / 乳房 / 18世紀 / ジェンダー / 医学
研究概要

この研究の目的は、イギリスロマン派詩人・画家ウィリアム・ブレイク(William Blake)の作品に頻出する「乳汁」(milk)と「乳房」の意味を、十八世紀の医学理論のディスコースに照らし合わせながら解明すること、さらに十八世紀の通常の理解からはみ出すブレイク独自の乳汁と乳房の意味を考察することである。
2年計画の初年度にあたる本年度には、十八世紀当時の医学理論のディスコースにおける乳汁と乳房の意味を検出しようとした。とくに血液との関係において明らかになる乳汁の意味が、ブレイクの芸術を理解するうえで重要である点がわかった。ブレイク作品では乳汁はイラストとして描写されることがないが、その代わりを血液がつとめているのではないかという仮説を、いま実証しようとしている最中である。
この考察が進めば、ブレイク作品における乳汁と乳房の意味が、十八世紀の医学理諭を継承しながらも、そこからしだいに乖離していき、彼独自の乳汁と乳房の表象を確立していったことが解明できるはずである。そこでは、乳汁と乳房を所有し、それをコントロールすることによって男に対抗しようとする女のイメージが濃厚になってくる。本研究はブレイク作品に見られる肉体(骨・体液・肉などすべてをふくむ)の表象の研究として始まったが、ブレイクにおけるジェンダー論の研究としてまとめることもできる。ジェンダー論はブレイク研究における貧弱で未開拓の部分であり、そこへ乳汁・乳房の研究を提示できればと考えている。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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