言語・メディア競争において世界的に有利な立場を確保すべく、英米両国がいかなる教育を行っているかを探る本研究は、英語を共通言語とすると同時に世界的に影響力を持つ両国における文学・言語・メディア教育の特徴を、ある程度明らかにすることができたと考える。 まず英語を最大の文化資源とする英国は、世界的に中心的な役割を果たすべくブリティッシュ・カウンシルなどを通じて積極的な戦略を展開したり、BBCによる国際的なテレビ・ラジオ配信、インターネットのニュース配信など、英語の世界的優位を利用したメディア戦略を展開している。同時に国内においては、文学教材を用いた伝統的な語学教育の方法論も復活するなど、多様性を見せている。これに対して米国では全体的には最新のカルチュラル・スタディーズ的方法が主流であり、またインターネットなどの最新のテクノロジーを使用する教育方法も盛んであるが、同時にそうした大きな変化に伴う問題点を探ろうとする動きも活発であるといえる。 一般的に文学・言語・メディア教育は時代の変化の影響を大きく受けるが、現在世界的影響力の大きい英米両国においてどのようにそれが実施され、それに対する批判はどのように行われているかという問題は我々にとっても重要な問題であり、この問題が両国において、将来どのように変化するか、今後とも引き続き注目する必要があると確認できたことが本研究を通して得られた成果である。
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