研究課題/領域番号 |
15520168
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲垣 直樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (20151574)
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研究分担者 |
小潟 昭夫 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (40051825)
丸岡 高弘 南山大学, 外国語学部, 教授 (50199923)
レボラール パトリック 南山大学, 外国語学部, 助教授 (50329744)
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キーワード | ヴィクトル・ユゴー / ロマン主義 / ヴェルディ / リゴレット / エルナニ |
研究概要 |
イタリアのオペラ作曲家VerdiがLucrece BorgiaやHernaniやLe Roi s'amuseといったユゴーの戯曲をそれぞれLucrezia BorgiaやErnaniやRigolettoといったオペラ作品に仕立てて、大成功を収めたことはよく知られている。これにまつわりユゴーの著作権闘争を初めて詳細に明らかにした。このオペラの台本に使われた自作品の著作権料支払いについて、ユゴーはPaillard de Villeneuveという弁護士等を立てて、1850年代後半に、Verdi作品をパリで上演していたTheatre-Italien側を相手に訴訟を起こした。Ernaniについて原作者ユゴーの著作権を認める判断が1855年1月に示されたあと、同年3月には、これを覆えす裁判所の審判が下り、ユゴーの要求は却下され、ユゴーに敗訴側が払うべき訴訟費用の支払いが命じられた。これらを始め、Vosges広場のユゴー記念館が所蔵する書簡等、多数の一次資料を掘り起こすことにより、ユゴーのこれらオペラの台本に対する著作権料支払いの要求の様子とその訴訟の進行が明らかになった(Naoki INAGAKI & Patrick REBOLLAR編著Fortunes de Victor Hugo収載Arnaud Laster :<<Fortunes et infortunes de Hugo a l'Opera>>)。 本研究の準備・基礎を成すFortunes de Victor Hugoヴィクトル・ユゴー生誕200年記念国際シンポジウムにおける研究発表を本科学研究費補助金研究の趣旨に沿って各自が練り直し、改稿したものを集成し、Naoki INAGAKI & Patrick REBOLLAR編著Fortunes de Victor Hugoと題してParisのMaisonneuve et Larose出版社から2005年5月に出版することができた。ユゴー研究の最先端を行く論文15編を収載し、総ページ数は247ページである。これにより、本科学研究費補助金研究の当初からの大きな計画を実現ことが出来たことになる。
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