研究課題/領域番号 |
15520178
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
石割 隆喜 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (90314434)
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研究分担者 |
渡辺 克昭 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10182908)
貴志 雅之 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (30195226)
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キーワード | メディア / 身体 / 表象 / 人種 / 歴史 / ピンチョン / 幽霊 / 同時多発テロ |
研究概要 |
石割は、Thomas PynchonのVinelandにおける「幽霊("apparition")」論を継続中。また前年度(平成16年度)の研究対象であったピンチョンのエッセイ「ラッダイトやっていいかな?」について、本エッセイにおける「ラッダイト」概念と9・11テロとの「親和性」に関する研究を、現代アメリカにおける「小説の死」という問題と関連付けながら、第49回日本アメリカ文学会関西支部大会におけるフォーラム「現代アメリカ小説とソール・ベローの死」で発表した。同研究発表を"apparition"の観点から再考した論文を準備中。渡辺は、現代アメリカ文学における暗殺とメディアとの共犯関係に焦点を絞り、作家たちが銃にいかに多様かつ重層的な表象を担わせてきたのかを概観したうえで、銃に賦与されてきたメディア性が、映像メディアといかなるアポリアを生成するか、身体意識の変容という視座から分析した。さらに、Walter Benn Michaels著The Shape of the Signifier :1967 to the End of History (2004)の書評を『英文学研究』に掲載し、表象(の死)と主体をめぐる問題系を、テクストの物質性ならびに身体性との関わりにおいて多角的に考察した。貴志は、前年度第43回日本アメリカ文学会全国大会シンポジアでの「帝国支配の記号としての銃と他者」研究をさらに展開。A.Miller、O'Neill、Baraka、Parks、Houston作品を中心に、銃の記号性を「他者」の人種的歴史(再)表象メディアとしての身体論と連動して論考を再構築し、2006年8月シカゴで開催のATHS (Association for Theatre in Higher Education)の20周年記念大会での研究発表に応募。審査の結果、同大会での発表が決定した。また、「観客意識、暴力、身体、狂気」をテーマにFornes研究を行うとともに、現代アメリカ演劇における歴史表象演劇戦略論を執筆。2006年9月に刊行予定。
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