研究課題/領域番号 |
15520178
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
石割 隆喜 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (90314434)
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研究分担者 |
渡邉 克昭 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10182908)
貴志 雅之 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (30195226)
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キーワード | ドン・デリーロ / メディア / 亡霊 / 歴史表象 / 人種 / 帝国主義 / ピンチョン / 小説 |
研究概要 |
石割は、トマス・ピンチョンの『重力の虹』の「浅さ」を、ヘンリー・ジェイムズの小説論を手掛かりに、「小説」的に「個」を描けていた前二作からの断絶(「パラノイア」の変容による「ポスト・ノヴェル」の誕生)として捉えることの重要性を論じる研究発表を行った(日本英文学会関西支部第一回大会シンポジウム「文学研究の新しい可能性」、2006年12月16日、於大阪大学)。貴志は、銃の記号性と他者の人種的歴史(再)表象メディアとしての身体論を連動させた論考"Semiotics of Empire Domination : Guns and the Other on the American Stage"を2006年8月米国シカゴでのAssociation for Theatre in Higher Education 20周年記念大会で発表。同論考を共著『神話のスパイラル-アメリカ文学と銃』として出版。また、共著『二〇世紀アメリカ文学を学ぶ人のために』で「現代演劇の冒険-テーマ・パークのリンカーン」を発表。さらに、女性の文化的アイデンティティ問題を女性身体の観点から論じた、マリア・アイリーン・フォルネス研究「パラダイムの逆襲-『フェフとその友人たち』に見るポリフォニーの幻影」を『アメリカ演劇』(第18号)で発表した。渡辺は、本研究の総括として、ドン・デリーロ、スティーブ・エリクソンの文学における身体意識の変容とメディアとの関係に焦点を絞り、メディアとの接合による不可視の身体的侵犯によってもたらされる「感染」が、いかなる「亡霊」性を孕みつつ、主体にどのような揺らぎを惹起するかを明らかにした。暴力、メタフィクション、歴史性といった論点を視野に入れつつ、「歴史」とナラティヴの間に見られるダイナミックな関係を、身体、崇高性、グローバリゼイションといった視座から考察し、研究成果を共著『神話のスパイラル-アメリカ文学と銃』(英宝社)と共編著『二〇世紀アメリカ文学を学ぶ人のために』(世界思想社)の2冊の研究書にまとめた。
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