研究課題
基盤研究(C)
本研究では20世紀のドイツと日本に決定的な影響を与えた戦争をめぐる文学を究明.考察した。ドイツは二度の世界大戦の震源地となった。それゆえ多くの戦争文学や戦争を背景とする作品が書かれだ。それらは戦争および時代の記録として重要であり、多様な側面を持つ。本研究は第一次大戦の戦後であるとともに第三帝国時代の前史としてのヴァイマル共和国時代に活躍し、ナチス政権下に亡命した作家、芸術家達の生涯と活動の軌跡、作品と社会状況の相互関連を学際的に究明、考察した。ヴァイマル共和国時代から第三帝国時代にいたるドイツの戦前から戦後にいたる時代における文学を通して社会と人々の意識の変化を捉えた。そして20世紀のドイツを中心に作家達は戦争および戦争を生み出す社会とどのように対峙し、どうそれを捉え、表現してきたかを考察した。本研究は作品を個別に取り上げながら、1920年代から1940年代にいたるドイツ文学の新たな水脈を捉えた。考察に際しては、ヴァイマル共和国時代と第三帝国時代を区別した上で、それぞれの時代における作家の創作活動を具体的に考察した。他国と異なる日本の戦争体験として原爆体験国としての核被爆の問題がある。被爆作家の作品分析を通じて、言葉としての文学は戦争や原爆をどのように表現し伝えてきたのかを究明した。21世紀となった今日、20世紀(過去)の戦争と歴史を伝える器としての文学の成果を史実や社会状況との関連性においてとらえた。
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世界文学 103号
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広島大学総合科学部 人間文化研究 第12巻
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Sekaibungaku No,98
Hiroshima Uni. Sougoukagakubu, Ninngennbunnka Kenkyu. No. 12